中国での日系ヘッドハンティング会社とローカル人材会社の比較【中国人材業界事情】

人材採用を支援するエージェントとして、求人案件をサイトに掲載し、応募してきた求職者を紹介していく人材紹介サービスと、求人に合致した人材をスカウトしていくヘッドハンティングは、人材発掘の手法が異なるが、結果指向の中国の現場では、やり方が混ざっていてはっきりと区別をしていないようだ。

どちらにしても、電話と面談でまず候補者の学歴、経験、就職経歴、業績などの情報を聞き出し、総合的に評価をつけて求人企業とマッチングをするのは主な流れだ。

日本国内のヘッドハンティングの会社は、基本的には人材紹介会社として登録している。

人材紹介の手法としては、基本的には転職を希望する人材をデータベース化し、その中から適任者を求人企業に紹介することになっている。書類選考や面接にかかる時間をかなり短縮できるため、求人を出す多くの企業がこのような人材紹介サービスを利用している。

日本の人材サービスはクライアントの人事担当に求職者を推薦するやり方で、求職者が入社してから初めて費用が発生する。

それに試用期間中に辞めてしまう人がいた場合、返金したり代わりの人材を改めて発掘したりするなどの対応をしなければならないことがあるため、成約する確率が低く、書類選考から採用までの確率は4~5%とのこと。

逆に中国の人材サービス会社は、主に大企業との長期契約を締結しており、予めデポジットを支払った上で人材のリサーチを行い、管理層など優秀な人材の発掘をするという形で、採用コストが割高にはなるがリサーチの質も比較的に高い。

CEO等の企業の運命にかかわる重要人物を探す際に、手軽に求人サイトに出すのは企業のイメージと内部の心理が揺れるなどのリスクが高いため、信頼関係ができている会社に頼むという流れになっている。

報酬の高さに目を奪われ、近年、日本の人材会社もエグゼクティブ人材のエリアに着目しているものの、やはり限界が見えてきている。

求職者の方から見ると、日本の人材紹介会社は求職者を主要な位置におき、丁寧な就職指導を行うのが当たり前のようになってきている。履歴書の修正、年齢と経験が転職に適応がどうか等条件を分析し、面接のスキルまで教える。客先が出した条件にだけマッチングをする人材を育てる方法は中、低度人材しか見つけられない。

ハイクラス人材になると、転職に対してかなり慎重な考えを持っていて、在職中に人材サイトに履歴書をアップして、会社に知られて不利な局面に陥るようなことはまずしない。
データベース上で探してもハイクラス人材を探せる比率が低いこともあり、日系の人材会社が中国で長年にわたって成長できない原因であるかもしれない。

中国市場の状況を知った上で、細分化した分野に専念したローカルのヘッドハンティング会社が増えてきているが、日系の人材サービスと比べるとはるかに質が高い。

一つはカルチャーショックを受けることがなく、文化レベルでコミュニケーションがとりやすいので、企業に受け入れやすい適任者が探せる。
更には、もちろんだが企業側とも深く理解し合えるため、優秀な人材コンサルタントが企業と人をマッチングさせることで、業界の発展も促進する。

日系の人材会社が中国に進出して以来、中、低度人材のマッチングを主戦場としているが、近年中国は労働集約型の産業から構造転換し、知識密集と人材密集の傾向が現れてきているため今後は高度人材に対する競争が激しくなる事が予測できる。

これから中国でのハイクラス人材市場は益々活況となり、次の成長段階に入っていくことが予想される。

記者;Murra(株式会社ホワイトホール)

 

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