Estee Lauderの売上を20%アップさせる中国のインフルエンサー達


中国のミレニアル世代(1980~2000年初めに生まれた人。10代からデジタル環境になじんだ初の世代)は、インターネットのおかげで世界一の美しさを手に入れるかもしれない。

 

中国の人気ライフスタイルブロガーが、10代後半から30代前半の女性に提供するメイクアップと身だしなみの秘訣は、585元(約9,700円)のTom Fordのリップと、8グラム1,350元(約22,000円)のLa Merのツヤのでるファンデーションだと訴えている。

 

この需要は直近の四半期で、中国におけるEstee Luderの売上高を20%も増やし、同社にとって中国が最も急成長している市場となった。

 

「以前は中国の女性は、ファンデーション、マスカラ、アイシャドウはつけていませんでした。」と、Estee Lauderのアジア太平洋部門のファブライス・ウェバー社長は語る。
「今日では全く大丈夫です。ミレニアル世代は“私は綺麗でないといけない”という考えに完全にとらわれてはいません。」

ウェバーはそれをソーシャルメディアの力だと信じている。ミレニアル世代や18~30歳までの人々は、Estee Lauderの中国における売上高の約35~40%を占めると同氏は述べた。
これは世界平均でのミレニアル世代の売上高よりも、大きな割合を占めている。驚くべきことに、ミレニアル世代は同社の最高級品を購入してくれる一番の顧客となっている。

 

中国における売上高の増加は、海外の中国人観光客が増加した旅行小売部門だけでなく、同国の業界トップであるL’Oreal SAに迫る勢いのEstee Lauderの助けとなるだろう。

 

Estee Lauderが自社製品を位置付けているプレミアム化粧品部門では、同社の市場占有率は14%、L’Oreal社は21%のシェアを獲得しているという調査結果が発表された。

全企業の小売化粧品の売上高は、昨年の43億米ドルから2021年には中国で74億米ドルに達すると、ユーロモニター(国際市場調査会社)は予想している。

 

急成長しているのは Weibo(ウェイボー), Youku(ヨウクー), iQiyi(アイチイ)Tudou(トゥドウ)などのソーシャルメディアのウェブサイトで、アイシャドウのつけ方から頬のハイライトの入れ方まで様々なメイクのチュートリアルに女性たちは注目している。

 

上海では、Annie_uuという名前のブロガーが65,000人のフォロワーを持ちWeiboで数日おきに数十枚の画像、化粧品、ファッションアクセサリー、休日の写真等を載せている。彼女の最近の投稿の中ではアリゾナのグランドキャニオンへの旅行中に使用した日焼け止めのSK-IIフェイシャルトリートメントエッセンス、女優ジェニファー・ローレンスも使用しているDiorのリップ、そしてEstee Lauderのジョーマローンの香水について語っており、これらについて 「夏の香り、ロンドンに思いをはせる。」と投稿してる。

 

シンガポールのBloomberg Intelligence(ブルームバーグ・インテリジェンス)の小売アナリスト、キャサリン・リム氏は、「今、世界の化粧品ブランドは次々と中国市場に参入し、特に若者の顧客獲得に向け市場競争が激化している。」と語っている。

 

日本と米国の洗練された人々と比較して、中国のミレニアル世代はブランド・ロイヤリティが低く、美容ブロガーの影響を受けて新製品を試しやすくなっていると言う。

「中国の女性は“スキンケア中心”という考え方から急速に進化している」とウェバー氏は語る。「今、彼らは香水とメイクの消費者へと進化している。そして中国が日本をリードしていくだろう。」とも語っている。

 

2017年6月27日 深圳デイリーニュース

 

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