第4回僑商サミットが開催、粤港澳大湾区建設と華僑商人の発展がテーマに

【ライター:川ノ上和文氏】

8月12日中国国際広播華語センターおよび深セン市僑商智庫研究院の共催で第4回僑商サミットが深センで開催。”粤港澳大湾区建設と僑商(=華僑商人)の発展”がテーマに取り上げられ、中国国内外の政界、華僑界、ビジネス界の専門家、学者が集い、様々なセミナーが行われた。

海外の華人・華僑は6000万人を越えており、その多くが東南アジアに分布している。東南アジアは中国政府が進める”一帯一路”構想の重点エリアであり、同エリアにおいて強い経済力、生産能力、政治への影響力、ビジネスネットワークを持つ華人、華僑は重要な役割を果たすと見られている。インドネシア一国のGDPを超え、今や中国を牽引する経済力を誇る広東省は華人・華僑の主要な輩出エリアで、同エリアの大規模プロジェクトとして進められている広東省・香港・マカオを一体化する経済圏構想「粤港澳大湾区」は特に高い注目を集めている。

 

また、粤港澳大湾区の人口は世界に広がる華人・華僑と近く約6000万人、面積は5.6万㎢(参考:東京都市圏の人口は約3500万人、面積は約1万㎢)であり、世界有数のベイエリアへの成長が期待されている。11日には李克強総理が年内に同エリアの発展計画を策定し、中国本土と香港の債権相互取引を導入する方針を発表、この発言を受け、「粤港澳大湾区」関連銘柄の取引が活況となっている。

 

サミット内で中国総合開発研究院副院長である長曲建氏は「粤港澳大湾区」、そして深センの役割について下記のように語った。

「粤港澳大湾区の英文翻訳をChina bay(中国湾区)とし、世界レベルの都市群を作っていく提案がある。粤港澳大湾区の開発は”引っ張る”から”出て行く”戦略へ展開していく。これまで我々は香港・マカオの資源を引っ張ってきたが、これからはこれらの資源を活用し、共に開拓して行くことが重要。”一帯一路”を新たなステージへ引き上げていきたい。」

 

「深センのIT企業達は既に”一帯一路”上に工場を設け、国際市場へ打って出始めている。深センは華僑商人と中国投資家が手を取り、”(国際市場へ)出て行く”新たなプラットフォームになって行くだろう。」

 

共催団体である深セン市僑商智庫研究院(Overseas Chinese Think Tank)は2014年に香港、マカオ、タイ、オーストラリア、カナダ、欧州などの華僑団体が発起人となり設立されたシンクタンクで華僑経済や産業との関わりについての報告書出版、華僑ネットワークにおける越境型投資や協業機会を設ける産業プラットフォームである華人・華僑産業交易会などを開催している。

情報ソース:(中国新聞網)http://www.chinanews.com/hr/2017/08-12/8303314.shtml

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