中国の広告事情 今年、中国のインターネット広告費が全体の57%を占める

GroupM(世界最大のメディアコミュニティーエージェンシー)によれば、世界第2位の広告市場である中国では、今年、広告費の57%がインターネットによるものである。しかしこの新しい報告によると、都市部のほとんどの人がデジタルアクセスできるようになり、オンラインで急増している膨大な数の新しいユーザーを増やす時代が終わりを迎えているとも語っている。

全体として、中国における広告支出は、2017年に前年比7.8%増の844億ドル(約9兆2000万円)となる見込みで、2016年の成長見通しも同様で、7.9%であった。

 

長年にわたり、中国におけるインターネット採用の爆発は、デジタル広告の成長を支えてきた。中国の公式統計によると、昨年末に7億3100万のインターネットユーザーを抱えており、中国の人口の半分以上を占めている。これは米国人口の2倍以上にものぼる膨大な数だ。

 

5年前の19.4%と比較して、今年は中国の広告費の約57.2%がインターネットを使った広告になっており、中国のオンラインエコシステムがいかに早く発展したかを物語っている。中国のデジタルシェアは平均よりずっと高く、デジタルアウトレットに59.6%の支出を充てたスウェーデンに次ぐ第2位だ。世界的に、GroupMは、今年の広告費全体の3分の1をデジタルが占めると見込んでいる。世界最大の広告市場である米国では、今年のデジタル広告費は市場の30.9%になると予測されている。

 

中国がオンラインになり、電子商取引、オンラインビデオ、万能アプリ「WeChat」を取り入れると、デジタル広告が爆発的に増加した。たとえば、2012年のオンライン広告費用は前年比で46.8%増加している。成長は依然として堅実だが、それはもはや劇的ではなく、デジタル消費は2017年に21.5%拡大すると見込まれている。

「中国のオンライン人口は2000年の30倍だ」と、GroupMの「This year, Next year」として予想している。しかし、都市部のインターネットの普及率は飽和状態に近く、新しいインターネットユーザーの流入からはほとんど成長が見込めない。

モバイルはまだ強い状況で、スマートフォン愛用者の多い中国では、モバイルインターネットが今後「インターネット広告を推進する主要エンジンになる」との報告がある。中国政府の公式データによると、中国のインターネットユーザーの約95%は、2016年末にモバイルデバイスを通じてインターネットに繋がっているという。

 

全体的には、テレビは31.4%を占めるように設定されている。しかし、スマートフォンやインターネットも利用できるため、伝統的なテレビ広告は調整するのに苦労したという。2016年の推定4.9%を下回ると、今年は伝統的なテレビの広告宣伝費が5.2%低下するが、コンテンツマーケティングやプロダクトプレースメント(商品を自然に認知させる広告手法)が増加している。

 

中国の国営放送局、中国中央テレビやCCTVは、この傾向に強く抵抗している。CCTVチャンネルへの広告費は、昨年5.3%増えた後、2017年には5%増となる見込みだ。CCTVは、昨年の2大スポーツイベント、2016年夏季オリンピック、2016年UEFAサッカートーナメントから好調なようで、バラエティー番組は改善中、とGroupMは述べた。また、中国の国営テレビ大手の広告管理スタイルに若干の変化が見られた。報告では「もはやCCTVの金のなる木として広告があるわけではないが、顧客がブランドを確立する支援サービスではある」と述べている。

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