深セン企業BYD(比亜迪)のモノレール、海外展開はフィリピンから

【ライター:川ノ上和文】

深センを代表する自動車であるBYD(比亜迪)が開発したモノレール「雲軌(ユングイ)」の初の海外展開先がフィリピンのイロイロ市に決まった。8月22日、BYDとイロイロ市は共同発表を行い、同市が抱える渋滞問題を解決するため連携をしていくと述べた。初期は2019年に20キロメートルのモノレール開通を予定している。

イロイロ市はフィリピンを代表する歴史文化の中心で、観光地として人気の街。大学施設は30を超え良好な教育環境や治安の良さが注目されている。人口は約42万人で人口密度は5981人/㎢、近年旅行客が増え、渋滞問題が深刻になっていた。

 

現地メディアに対し、イロイロ市市長のJed氏は発表時のインタビューでBYDとの連携に答え期待を見せた。

 

”複数の評価検討を経て、我々はBYDの「雲軌」がイロイロ市の渋滞問題を解決する最高のソリューションだという結論を出しました。”(Jed氏)

 

一方、BYDのアジアセールス事業部総経理劉学亮氏は同市との連携の展望についてこう語った。

 

”イロイロ市とのモノレールによる交通渋滞の緩和は初めの一歩にすぎません。次の段階として双方は新エネルギー公共バスの普及に向けての提携協議を進めています。エコ交通網のソリューションを整備していく考えです。”(劉学亮氏)

 

同社はイロイロ市の大学集積の優位性にも着目しており、これらの大学との連携による高度人材の育成も視野に入れている。

モノレール「雲軌」はBYDが5年、50億元(800億元)以上を投資し研究開発を行なってきたプロジェクト。建設にかかる期間は約2年で地下鉄の約3分の1、また費用面では5分の1となっている。輸送人員は1時間あたり1〜3万人。2016年6月に深セン市郊外の坪山新区で初導入が決定し、建設総距離は50キロメートルを超える見込みだ。

同社の発表によると、セールス展開を開始してまだ1年立っていないにも関わらず、すでに100を超える都市から視察がきており、ほぼ毎月いずれかの都市との契約が行われているペースだという。来年には20の都市でのモノレール建設を見越している。国家開発銀行の予測によると、中国のモノレール市場規模は2020年までに4000億元(約6.4兆円)に成長すると見られている。

 

川ノ上和文氏の記事一覧

 

深圳晚报

http://www.sznews.com/news/content/2017-08/23/content_17083785.htm

雪球

https://xueqiu.com/1148734790/79038903?from=groupmessage

 

Add a Comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です