WeChatと周黒鴨の自動化店舗を体験!

テンセントのWeChatと、鴨肉のファーストフード店「周黒鴨」が提携して作った顔認識を使っての無人店舗に実際に行って体験してみました。

 

店舗は深セン市西側の南山区にあり、特にIT企業が集まっている所ではなく、どちらかというと南山区でも古い建物が多いベッドタウンに店舗がある。なぜIT企業などが多いハイテク区の方ではなくベッドタウンに作ったのかは不明であるが、恐らくIT系の人ではなく普通の人に使ってもらいたい狙いもあるのかもしれない。

実際に行ってみると隣は普通の美容室がある建物の1階でこの場所だけ異様な雰囲気で未来感が出ている。

入口の扉は鏡になっていて昼間だと反射してよく見えないが、顔の位置の辺りにカメラがあり、ディスプレイにもなっている。

利用の順番としては、入口左にあるQRコードをスキャンすると周黒鴨のWeChatミニプログラムに入るので、そこで認識用の顔を撮影して、自分のWeChatアカウントと顔情報を登録します。

登録後は、再度入口横にあるQRコードをスキャンすると扉の所に丸い表示が出て顔認識が始まるので認識が完了すると扉が開く仕組みだ。

この流れで気になるのは、毎回スマホでQRコードをスキャンしなければいけないということだ。このメディアで紹介しているケンタッキーのように、スマホを持たずに顔だけで購入することはできない。

店舗に入るとシンプルで商品数の割には広く、未来感もしっかりとある。

適当に商品を選んで清算台に向かってみる。

深センにある無人コンビニはどこも商品にRFIDのタグがついており、このタグの情報を読み取って清算する形だが、ここの商品にはタグは付いていない。

この店舗の清算方法は、清算台の前に行き、台の上に商品を置くだけである。台に置かれた商品をカメラが物体認識をしてどの商品が何個あるかを識別する。識別が終わると画面上に手で「いいね」をするように説明が出るので、画面に向かって親指を立てると清算完了となる。

この清算方法は独特で面白い。しかも結構な画像認識技術が使われていることに驚きである。ここで使われているカメラや認識技術はAIのディープラーニングを使った認識技術であり、普通はこの技術を研究開発するのにコストも掛かるところであるが、今回テンセントと組むことで実現可能となり、AIの技術の日常生活への実用化となった。

 

 

清算が終わると出口に向かい、扉の前で顔認識すると扉が開くので、扉が開いたら外に出ることが可能である。

ちなみに何も買わなくても出口の扉で顔認識すれば出る事は可能である。

 

最初だけは、スマホを持っていないと入れないが、2回目からはスマホなしで購入まで可能である。顔認識技術と画像認識技術、それらをまとめるAI技術が一般生活の中に実用化されたという所が大きいという印象である。

WeChatがただのSNSツールではなく生活に必要なプラットフォームとなりつつある。まだまだ新しいものが出てくる深センに期待したい。

 

【ライター:佐々木英之
中国深センの富門グループ(Richdoor Group) にて10年間の中国ビジネス経験。
日本に出張すると数日で深センに帰りたくなるという「深セン通」である。

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