春節ビッグデータ:WeChat(微信)お年玉)の発信総数、深センは全国の第三位!

春節(旧正月)は中国では一年の中で最大のイベントと言っても過言ではない。

この時期、大量の中国人が里帰りや、海外旅行などで過ごす。

日本でも、中国でも、お正月を祝う風習として、

お年玉をあげることがある、日本のように必ずしも年長者から子供や孫に渡すだけではなく、親しい友人同士でも交換し合うことは中国らしい習慣だ。

 

キャッシュレスが発展してる中国では、

当然お年玉も例外なく、アプリを利用して「紅包(お年玉)」を送ることになる。

中国で利用されるメッセージアプリと言えば、

「WeChat(微信)」(日本のLINEと相当するメッセージアプリ)だ。(本稿では以降「微信」と表記する。)

お年玉を送れる機能があり、決済機能付きで、中国スマートフォンユーザーはほぼ全員が使っている。

オンラインの支払アプリと言えば、「アリペイ」である。これも中国スマートフォンユーザーは、ほぼ全員が使っていると言っても良い。

 

この二つアプリの運営会社による、春節期間の中国人の消費データがビッグデータとして収集され、様々な分析について公表している。

本稿ではそのようなデータをいくつか紹介してみたい。

 

 

「微信」を利用して「紅包」の送信総数は、全国の中で、深センは第三位。

 

 

統計によると、大晦日から新年5日目の2月9日までに、「微信」での総メッセージ量は昨年比64.2%増、8.23億人が「微信」を利用しお年玉を貰ったり、贈ったりし、去年と比べ人数は7.12%増えた。

 

 

ユーザーの利用が最も頻繁な日は大晦日である。当日のメッセージとモーメンツの量は最高で、その中でも、最も利用していたのは90年代生まれの人達で、メッセージ発信量も一番多く、モーメンツ発表量も一番多く、スタンプ発信量も一番多く、「紅包」の送受信量も一番多いと言う事から、まさにオンライン世界を支配している世代と言って良いだろう。

また、広東省は「紅包」の送受信量が一番多い省というデータも出ている。都市で比べてみると、深センの「紅包」の総送受信量は第四位で、発信数量第三位、受信数量第四位である。

 

 

微信にて統計されたビッグデータから下記のデータも分かる。

 

01歩数

大晦日から新年5日目の2月9日まで、「微信運動」による、ユーザー全体の歩数は9.63億万歩に達した。昨年比50%増で、そのうちの1.3億人の歩数は10000歩を超えたと言う事が分かった。

ビッグデータによると、新年の初日、ユーザー運動量は両極に分化している。この日、歩数が10000歩を超えたユーザー数は一番多いが、一方、歩数が100以下のユーザー数も一番多い。その中で80年代、90年代生まれの人は全体の60.7%を占め、国慶節の記録56%を超えた。

 

 

02海外旅行

春節の時に海外旅行に行くことは既に流行となっている。ビッグデータによると、「微信」利用者の内90年代生まれの人は海外旅行に行く人の中で一番多く、全体の31%を占めたと言う。

渡航先を見ると、中国の香港とマカオ、タイのバンコクが距離的に近いため相変わらず人気だった。今回フランスが初めて「海外で支払件数のランキング10位」に入り、初めて10位以内に入ったヨーロッパの国となった。

 

 

 

03渡り鳥型消費

 

微信は「渡り鳥型消費」と定義されていて、これは、春節期間中に都市から離れた人達がそれぞれの場所で消費するという事である。

春節期間中、全国において「渡り鳥型消費」の支払総件数は12.4億件となった。場所別に見てみると、消費の多い所は従来の一級都市ではなく、三級と四級都市に移転した。データによると、都市が小さければ小さいほど、「渡り鳥型消費」の影響を受けている。出稼ぎの人達が都市から帰り、消費生活を持って帰ってきただけではなく、スマート生活も連れてきたのである。六級都市では、「渡り鳥」と呼ばれた人達が微信を利用しての支払件数は総数の43%を占めた。四五六級都市においてもすべて40%を超えていた。

 

 

 

アリババ 広州と深セン、春節でも休まずに営業し続けていた。

 

アリババが10日に発表した「2019年春節経済レポート」によると、広東省を中心に急激に発展しているデジタル経済によって、全国春節消費の中でリードする姿を呈している。

スマホアプリを使ってお正月用品を買ったり、お年玉キャンペーン(「福」と言う字をスキャンして5つのカードを集める抽選キャンペーン)を行ったり、家族で海外旅行をするなど、デジタルと言う方式で春節文化を伝承している。

旧正月に、300万以上の大手ブランドが天猫(ネットショッピングモール)で新商品を発売した。Taobaoでは、春節の特色であるゲーム「絵を当てて宝を奪う」をオンライン中継と言う形で約3600万人が参加した。海外旅行の人数は28%増に達し、世界各地のリゾート旅行は90%以上増加した。

アリババのBtoC ECサイト、天猫(T-Mall)のデータにより、消費力から見ると、広東省、浙江省、江蘇省、山東省、福建省などの沿岸部経済はお正月用品消費の5位以内となった。

 

大手旅行サイト、飛豚のデータによると、国内旅行先では、10位以内にランクインした都市の中で、深センと広州は上海と北京に次いで第3位と第4位であった。

 

天猫読書アプリからのデータによると、ユーザーが一番多いのは広東省で、広州でも、深センでも読書ランキング10位の都市に入ったと言うことが分かった。

 

 

アリペイからのデータによると、春節期間中、広州と深センは2019年春節国外消費トップ10のランキングに入った。1月25日から大晦日にかけての11日間、全国で4.5億人以上の人がお年玉キャンペーンに参加した、言い方変えると、3人に1人の中国人がお年玉キャンペーンに参加していた事になる。そして、その中で、広州、深セン、東莞のユーザー増加人数は他の都市に比べてリードしており、第二、三、五位となった。

アリババの物流部門、菜鳥(CaiNiao)のデータによると、春節期間中でも休まずにネットショップを営業している都市の中で、広州と深センは発送量が最も多い都市のトップ10に入った。受取量の最も多い区のトップ10では、深センの宝安区と龍崗区もランキングに入っていた。

菜鳥(CaiNiao)物流のスマート化の完備に伴い、中国人の春節消費範囲も広くなった、国内の製品だけではなく、世界中の良い品物をすべて購入する事が可能となった。菜鳥からの輸入物流データによると、広州、深センなどの税関は春節でも休む事すらできないほど忙しいとのことだ。

 

 

これらのデータを見ると、中国の消費力はものすごいパワーがある。

旧正月という文化に合わせて国民が皆、お金を使っているのは生活が豊かになっている証拠であり、まだまだ中国経済は底力がある事を感じる。

特に筆者の居る深センでは若い人たちの消費力は大きく、海外旅行に行く中国人も周りに多い。

豊かになってきた若い世代が多い深センは正月明けも元気である。

 

佐々木英之
ホワイトホール深セン事務所にて10年間の中国ビジネス経験。
日本に出張すると数日で深センに帰りたくなるという「深セン通」である。

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