「第四回 深セン国際ドローンEXPO」開催、注目のドローンは?

2019年6月20日〜22日まで、深セン市で開催された「第四回 深セン国際ドローンEXPO(Shenzhen International UAV EXPO)」では、400社以上の国内外のドローン企業が出展、1000台以上の最新ドローンが展示された。

「ドローン元年」と言われている2015年、民生用ドローンの市場規模は20億元以上を超えた。2020年には民生用ドローンの取引総額とアフターサービス規模は20倍以上に成長することが見込まれている。また、2025年には現在と比べて35倍の成長率になると期待されている。最先端技術を有するドローン関連企業にとっては、輝かしい未来が待ち受けているはずだ。

民生用ドローン産業は急速な成長を遂げたため、ドローン飛行に関する法律も以前と比べて厳しくなっている。ドローンに対して比較的寛容な中国でも2017年より、ドローンを中国民生航空局に登録することが義務付けられることになった。地上3メートル以上の高度でドローンを飛ばす際には、プロペラガードの装着も必要になった。

ドローンは大きく分けて軍事用と民生用に分けられる。また、民生用ドローンは一般消費者が使用するホビー用ドローンと、産業用ドローンに分けられる。今回の展示会は「安全管理、イノベーション、技術革新、スマート応用」をテーマに開催され、ホビー用は「空撮用」「レース用」「パフォーマンス用」等に区別された。産業用は「物流用」「消防用」「農業・植物保護用」等に区別された。

2006年に深センで設立され、コンシューマー向けドローンとしては世界シェア7割を有する「DJI(大疆創新)」も出展し、技術応用の成熟度を高めた様々なコンシューマー向けドローンと産業用ドローンを発表した。中でも、消防、農業、各点検等に応用できるプロペラを折りたためる産業用ドローン「DJI MATRICE 210/ 200」シリーズは、国外内のバイヤーから高い関心を集めることになった。

ドローンで光のアートパフォーマンスを披露する「高巨創新(HighGreat)」は、同社のドローン「FYLO」「ROC」「TAKE」で編隊を組み、展示会場でライブパフォーマンスを披露した。同社はその成熟した技術、蓄積した経験で、すでに世界中で3000回を超えるパフォーマンスを披露している。

物流用ドローン「鸾凤(鸞風、神の鳥)」を展示した天津のドローン企業「一飛智控」。「鸾凤」は半径10キロ圏内の配送に対応。物流や配送業者の人件費および運送時間を大幅にカットできる点が特長だ。

産業用ドローン有望株の広州のドローン企業「EHang(億航)」は、「空飛ぶタクシー」という概念で開発された自律飛行マルチコプター「EHang 216」を披露した。2人乗りの「EHang 216」は16枚のプロペラ、8対の二重反転ローターを備えており、すでに1000回以上の有人飛行テストに成功したという(テストでは時速150キロを記録)。「EHang」は現在、米国でIPOを計画しており、調達規模は約500万ドルと報じられている。また、2016年に発表した「EHang 184」は自律飛行テストに成功し、最高速度は時速130キロを超えている。

農業・植物保護用防水ドローンは農薬散布、測量製図等に用いられる。農業用ドローン開発企業の「極飛科技(XAIRCRAFT)」は3種類の「P」シリーズドローンを展示。中でも「レッド・ドット・デザイン賞」を受賞した「P30」の性能は高く、同機は優れた防水性能も備えている。半自動航行ができ、一度の作業で30畝(1畝=666.6平方メートル)の範囲に農薬散布できる。

中国警備用装備メーカー「HARWAR」が展示したドローンでは、軍用特殊装備ドローン「H16 Tomahawk」が注目を浴びた。主なスペックは、最大飛行時間約1時間、最高速度18m/秒、ペイロード25kg。720度全方面の障害物回避センサーを搭載している。災害救助用の赤外線探知画像モジュール、空中照明モジュール、消火剤投下モジュール等の応用モジュールの搭載も可能となっている。

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