EVメーカーの「BYD」がマスク生産開始、深セン市と協力して1500万枚のマスクを準備

中国でも依然としてマスク入手が困難な地域があり、定期的に行われているマスク抽選にも「なかなか当たらない」と不満の声が漏れ始めている。
そうした中、深セン市は3月15日付で「1500万枚のマスクを用意する」と発表した。

微博で発表された通知

この日、深セン市市場監督管理局は1500万枚のマスクを市民に与える合作協議の調印式を行った。EVメーカーの「BYD」と「華潤万家」「国大薬房」「海王星辰」「南北医薬」「叮当快薬」「中聯大薬房」の6社の企業が協力し、市に1500万枚のマスクを投入するという内容で、深セン市民のマスクに対するニーズに対応しようとしている。
「BYD」は3月16日〜31日の間に、医療用マスクを1500万枚生産して深セン市に投入する。

BYDのN95マスク、左奥は不織布マスク

新型コロナウイルスの感染が拡大してから、バッテリー企業、EVメーカーとしても有名な「BYD」やiPhoneを製造するEMSとして有名な「フォックスコン」がマスク生産に乗り出している。

 

今回、深センに投入される1500万枚のマスクは一枚あたりの価格が2.5元(約39円)を超えないように設定されている。流通先も協議で決まっており、薬局のオフライン店舗、EC店にて販売される予定だ。価格の吊り上げ、転売ができないように徹底した管理が行われるという。
また、「BYD」が生産したマスクは以下で購入できる。

BYDマスク購入はここから入る

「国大薬房」のオンラインサイトで購入する場合は、『一個深圳』というWeChatの公式アカウントから入り、「BYD」の中国語名を入力すると購入ページに飛ぶ。非常にシンプルではあるが、スマホ、インターネットありきのサービスで、いかにも中国らしい。購入や予約時には必ず身分証番号が求められるので、公正な取引が行われるようになっている。

現在、「BYD」は当初30万〜50万枚のマスクを生産していたが、さらに設備投資を行い、現在の生産量は1日500万枚に達している。この数は、かつての全国マスク生産量の1/4に匹敵する生産量だ。

 

前述の6社の内、一部店舗は予約制を取っているが、これまで同様に深セン市が無料で配布する抽選制マスクも毎日30万枚出している。また、中小企業を対象に毎日抽選を行い、1社につき100枚を無料提供している。

国大薬房のオンラインストア

エアコンで有名な「格力(GREE)」、「京東(JD.com)」、「小紅書(RedBook)」等のオンラインストアでもマスクの予約販売が行われている。

予約制や抽選制ではあるものの、深セン市はマスクが入手しやすい状況になりつつある。

 

深セン市が提供している無料マスクは『一個深圳』のWeChat公式アカウントに“マスク”と入力すれば、抽選ページに飛べるようになっている。ここでも身分証番号や住所等の個人情報を求められるため、転売目的の入手をシャットアウトできる。

深セン市の無料マスクはここから応募

抽選に当選した場合は24時間以内に当選コードを取得する。コードを取得すると発送される仕組みになっている。配送を行うのは深センの配送企業である「順豊速運(SF Express)」だ。

 

中小企業向け無料マスクも同様にWeChat経由で申請するが、こちらは社会保険の状況や、政府公式アプリ上で実名認証を済ませているかどうか等の条件をクリアしていることが前提となる。

企業が申請する画面、記入項目が多い

実際に筆者の知り合いも1月末頃は「日本からマスクを送って欲しい」と言っていたが、最近では「マスクが足りなければ日本に送ろうか」と言われている。もちろん誰もが気軽に入手できる状況ではないものの、マスクが行き渡り始めているという実感はある。

実際に筆者の知り合いの元に届いた当選通知のSMS

台湾も行政と民間企業が手を取り合うことで巧みにコントロールしており、非常に良い対応をしている。このような対応は、日本ではなかなか見られないものだ。筆者の意見では共産主義だから民主主義だからとか、そういう問題ではないと思っている。
今回の新型コロナウイルスのような緊急時に、行政と民間がいかに協力して取り組んでいくのか、日本も海外から学ぶ必要はあるのではないのだろうか。

 

参考URL:https://mp.weixin.qq.com/s/MYvvzzgv_dL1fO7qbxb9-w

 

記者:佐々木英之
ホワイトホール深セン事務所にて10年間の中国ビジネス経験。
日本に出張すると数日で深センに帰りたくなるという「深セン通」である。

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