テンセントの平均給与が8万元(約120万円)???その真実は如何に

先日、テンセント(本社:深セン)は第一四半期の財務状況を発表した。その中に2020年1月〜3月の給与支出が151.43億元(約約2300億円)と驚きの数字が含まれていた。 ちょっと計算すればすぐに分かるが、2020年3月31日までで、テンセントグループは64238名の社員がいると報じられており、これに給与総額151.43億元約(約2300億円)で割っていくと、社員の平均月収は78577元(約119万円)となることが分かる。 このようなニュースに驚く人も多い中で、この数字は本当なのかという疑問も抱いてしまう。 約8万元の平均月収と言われており、筆者も昨年に平均は7万元(約105万円)ほどと聞いた事はある。しかしよく考えていくとこの給与支出の中には社会保険や手当、福利厚生なども含まれていると考えられる。   実は以前のテンセントの財務レポートを見ていくと、給与支出の内容について表記されていることも見受けられる。 2018年の財務レポートを見ると、社員の給与支出は421.53億元(約6300億円)で、そのうち、給与関連が282.36億元(約4200億円)、老後計画積み立て等で25.53億元(約385億円)、株の報酬等が79億元(約1200億円)、福利、医療など33.55億元(約500億円)、研修等が1.09億元(約16億円)となっている。 この辺りを見ると、給与支出の総額を割るだけでは平均と言えないことが分かるので、平均給与8万元(約120万円)は言い過ぎなのかもしれない。 テンセント社員から聞いた話を含めても、このような外向けの数字は見るだけで十分で、必要以上に解釈すべきではないという。 深センの平均月収のニュースもよく見るが、これも1万元(約15万円)近くの数字が出されているものの、実際にその数字に達している人は多くはなく、ほとんどが平均以下となる。これは超高収入の人がそこそこいるため、平均数字を挙げているため、人数でいうと平均以下の人が圧倒的に多いという状況である。 テンセントも同じように高収入の人はものすごい額をもらっているが、一般社員はそこまで多くないという訳だ。 実際に筆者の友人の中にもテンセントやファーウェイの社員はいるが、若くしてたくさんもらっている人もいれば、このような企業にいても深センの平均以下の人もいる。 平均値は必ずしも中間数ではないことである。 それでもテンセントは一般の企業に比べれば、高収入の人は多い。   では、実際にはテンセントの社員の給与はどのくらいなのだろうか。 テンセントの給与体系は、標準が年収が14ヶ月分とされており、特に何か問題等を起こさなければ、16〜18ヶ月の年収が基本とのことだ。また、給与には職級という制度があり、この職級によって給与が変わる。これはファーウェイでも同じ話を聞いたことがある。 この職級はほとんどの社員が7、8、9級の中に収まっており、8級がリアルな平均収入と言えるのかもしれない。 この8級を例に挙げると、平均年収は約50万元(約750万円)16ヶ月分として考えると、8級社員の月収は約3万元(約45万円)ちょっとということになる。 これをテンセントの社員に聞いてみたところ、十中八九は当たっているとのことだ。 ある社員は“テンセントに3年も働いているが、現在の収入は年収30万元(約450万円)くらいで、月収8万元(約120万円)なんて到底届かない数字だ。しかし、テンセントでは努力をすればするほど返ってくるので、届かない夢ではないと思う”と語っている。 筆者の友人は、この社員とは違い、まさにニュースで言われている金額に近い月収をもらっていると話していた。 もちろん職位によっても違うので、一概には言えないが、たくさんもらっている人はいるというのは本当である。 周知のように、テンセントやファーウェイなど大企業は給与が高いイメージもあるが、その分、ものすごい残業もあるイメージがある。夜中まで働くこともあるし、緊急事態となれば徹夜もありうるくらいである。筆者もベッド付きのデスクや、簡易ベッドを置いている企業を見たことがある。 よく言われるのが、高い給与はもらえるが、自分の時間どころか睡眠時間を確保するのも大変という状況があったり、激務に体調を崩してしまう人がいたり、高収入でありながら、それ相応の苦労も必要である。 深センのような若い人の多い都市では、不眠不休のベンチャー企業や、休みなしでも奮闘する社員など、夢を追いかけている人は多い。 様々なチャンスのある深センでは、出来るだけ多くのお金を稼ごうとするパワーは大きい。 デリバリースタッフも飲食店の経営者でも、大企業の社員でも、努力して稼ぐという気持ちは同じである。   参考URL:https://mp.weixin.qq.com/s/l_ZV8apCOi2ml8yaQ5X-MQ 記者:佐々木英之 ホワイトホール深セン事務所にて10年以上の中国ビジネス経験を持つ。 日本に出張すると数日で深センに帰りたくなるという「深セン通」である。 佐々木英之の記事一覧

【PR】深セン視察ツアー毎月開催中! 日本 × 深セン(中国)オープンイノベーション支援サービス    

Add a Comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です