深圳、未来型都市の最前線:「众擎」ヒューマノイドロボットベンチャー訪問記
|急速な成長を遂げる深圳は、今や中国を代表するイノベーション都市であり、ハードウェア開発の“聖地”として世界中の注目を集めている。その中でも特に注目されているのが、ロボット産業の躍進である。

先日、ホワイトホールが主催する深圳視察ツアーの一環として、「双足型ヒューマノイドロボット」を開発するベンチャー企業「众擎」を訪問した。众擎(Zhongqing)は、機械工学とAIの統合による次世代型ロボティクスに取り組むスタートアップであり、その技術水準は驚くべきものだった。
彼らが開発中のヒューマノイドロボットは、産業用だけでなく、教育・医療・災害支援など多分野への応用を前提に設計されている。現場では、2足歩行の安定性、関節のしなやかさ、そして音声による指示への対応力において、国内外の競合と比較しても高い完成度を誇っていた。
印象的だったのは、モジュール化された関節ユニットと独自開発の制御AIにより、現場での柔軟な運用が可能となっている点だ。特に、コスト面でも競争力が高く、深圳ならではのスピード感と実装力を感じさせた。
このような訪問は、視察者にとって単なる技術見学に留まらず、「未来との接点」を体感する貴重な機会となる。私たちが行っている視察ツアーでは、こうした先端技術の現場に直接触れ、起業家や投資家同士の対話を通じて新たなビジネスの着想が生まれる場を提供している。
深圳はもはや「中国のシリコンバレー」ではなく、『未来型都市の実験場』だ。今後もホワイトホールツアーでは、こうした現地の生の情報を届けるとともに、日本とアジアをつなぐリアルな接点を創出していく。
著者:中里佳男
おかげさまで1,000人突破のホワイトホールツアー
https://whitehole.asia/2024/12/05/sz_tour/