若手社長日記–増値税の減税について

昨日のニュースで、前回、書いた増値税の減税が確定された。その具体的な情報と日系企業に与える影響を以下の通り、まとめてみる。

 

1)17%の税率が16%に

 

現在、工場と商社がものを販売する場合、ものを輸入する場合、加工サービスを提供する場合、有形動産のリースの増値税の税率が17%で、その17%が2018年5月1日から16%になる。

 

2)11%の税率が10%に

 

現在、農産品、水、天然ガスなどの販売、運輸サービス、郵便サービス、基礎電信サービス、建築サービス、不動産の販売及びリースの増値税の税率が11%で、その11%が同じく、2018年5月1日から10%になる。

 

後一か月しかない。中国らしい早いスピードだ。対応するポイントは前回の文章の内容をそのまま引用させてもらう。私らしい怠け者のやり方:)

 

3)工場及び商社の一般納税者の認定基準を500万人民元に引き上げる。

 

増値税の納税人が二種類ある。今までの認定基準は一年度の売り上げが下記の基準に達する場合、増値税の一般納税者になる。

 

工場:50万元

商社:80万元

サービス:500万元

 

今回の改正が50万元と80万元の認定基準を500万元に統一する。500万元を下回る工場がめったにないが、商社のケースがある。

 

一般納税者の納税額=(売り上げ‐仕入れ)*17%-その他のサービスの仕入れ税額

小規模納税者の納税額=課税すべき売り上げ*3%

 

一般納税者の税率が高いが、仕入れ控除がある。小規模納税者の場合は税率が低いが、控除もない。必ずしも、小規模のほうが有利だとは言えない。

企業によって、どちらが有利かを試算する必要がある。もし、小規模のほうが有利で、かつ、会社の売り上げが500万元満たない場合、すでに一般納税者に認定した会社が小規模納税者に戻ることも許される。

 

場合によっては、一社の業務を二社か三社に分割することで、小規模納税者を維持する方法もある。それによって、企業所得税も小型企業としての優遇政策を享受できるかもしれない。

 

 

4)仕入れ税額の還付

 

今まで、輸出以外に、仕入れ税額が販売税額を超えても、税金の還付ができない。これからは、一定の業界に限定され、仕入れ税額が販売税額を超える場合、その税金の還付ができるようになる。

 

ただし、実務上こういうケースがそれほど多くないので、実際の影響があまりないと考えられる。

 

増値税の改革のスピードが想定外の速さで公表された。これは今年の税制改革の第一弾で、ほかの個人所得税などの税制改革も次から次へと出てくるだろう。企業の財務も私たちのようなコンサルタントにとっても、今年はまた忙しい一年になりそうだ。

 

なんといっても、減税ほど、企業と社会にとって嬉しいことはないと思う。

 

 

私は中国人の公認会計士で、大手監査法人で日系企業の税務コンサルタントを9年間経験し、2012年4月から仲間と一緒に独立しており、2013年7月にDenchiコンサルティングを設立しました。日系企業、外資企業、中国企業のための投資、再編、税務のコンサルティングを業務としています。
創業5年目を迎えた会社なので、ビジネス界の大先輩と比べると、自分のことを若手の社長としか言えません。
今後、中国人の視点からみる中国の面白いことや経済の動向、日系企業に関係する投資、税務ニュース、事例、中国での株投資などなどについて、自分の考え方をシェアさせていただき、ご覧頂ければ幸いです。

Richard Wang |王銳

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