「ファーウェイ」と「チャイナテレコム」が連携、“新型コロナウイルス専門病院”に遠隔医療プラットフォームを提供
|武漢市にわずか10日間で建設された火神山病院が2020年2月3日、正式オープンし、患者の受け入れを始めた。新型コロナウイルス患者専用の病院だ。
1月31日晩、「ファーウェイ」は「チャイナテレコム(中国電信)」と手を組み、武漢火神山病院の“遠隔診療プラットフォーム”構築に必要なネットワーク設備等のテストを行っていた。
同プラットフォームを利用すれば、オンライン動画で北京にいる優秀な医療専門家と火神山病院の医療関係者をつなぎ、患者の遠隔診療が行える。病気の診断や患者に対する措置の効率が上がり、武漢の医療関係者の人手不足、超過労働を解決でき、同時に医療関係者の感染リスクも低減される。
火神山病院に導入された“遠隔医療システム”には、いくつかの素晴らしい技術が織り込まれている。
「ファーウェイ」が寄贈した一体化高画質会議端末TE20ビデオ会議設備と管理プラットフォーム(Huawei MCUと動画業務管理プラットフォームSMC)は、512kという通信環境の下でも遠隔医療を円滑に進めることができるという。
さらにこのシステムは1080Pの高画質にも対応しており、遠隔診察の状況下で、離れた場所にいる医療専門家が患者のCT画像等の医療ファイルを共有しながら診断ができる。正確な診断には高画質であることも重要だ。
現在、火神山病院はカメラ付き医療用台車を準備しており、病室の患者の近くまで行き、撮影ができる。今後はこの台車を使用した遠隔医療が可能となる。
また、2番目の専門病院である雷神山病院にも5Gネットワークが導入され、遠隔診療ができるようになる予定という。
「ファーウェイ」は武漢に数台の5Gスマートカーを寄贈した。スマートカーは音声による遠隔操作が可能で、物品や患者を運ぶために使用される。このスマートカーは「ファーウェイ」と数社の自動車関連企業等が連携して作られたもので、Huawei Hicarソリューションというシステムが導入されている。他の設備とのリンクにも対応しており、スマホとIoT化された設備、アプリによって、人と車をつなげることを実現したものだ。このソリューションは今後、多くの自動車企業や5Gコネクテッドカーに応用できるはずだ。
5Gネットワークの完成度が高まる中、今後は別の病院でも同じ技術が使用され、全国の患者や病院の様々な問題を解決していくだろう。商業や教育等の分野でもきっと活躍してくれるはずだ。コロナウイルスの影響でスマート病院への取り組みが活発化し、建設も加速するに違いない。
記者:佐々木英之
ホワイトホール深セン事務所にて10年間の中国ビジネス経験。
日本に出張すると数日で深センに帰りたくなるという「深セン通」である。
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