5月の労働節連休の対応 深セン人はどこに行けるのか

中国では5月1日からちょっとした連休に入る。労働節の連休で普通の会社であれば、5日間ほどの連休となる。日本にゴールデンウィークと同じような休みである。 日本よりも早く新型コロナウイルス感染拡大終息のムードが高まる中で、久しぶりの連休に計画を立てている人は少なくないだろう。 ただし、ムードは高まっているとはいえ、街中ではあちこちで検温などがあり、依然として危機意識は残っている状況だ。深センでも多くの若者が旅行に行けるのか不安を持っている。実際にどうなっているのかまとめてみた。 現在深センは感染リスクが低い地域となっていて、原則としては国内各地の低リスク地域にはウイルス検査不要で行き来ができる。 広東省内であれば『粵康碼』(広東省が提供している健康サービスシステム)があれば問題ない。 しかし、宝安区は空港もあることから中リスク地域となっており、一部の省では影響が出る。例えば広西省や海南省等の場所では、宝安区の人には、深センで7日以内に行った検査の陰性結果を出すことでその地域に入れるようになる。 また、深セン市は高リスク地域には行かないようにアナウンスしており、北京市朝陽区や黒竜江省や遼寧省の一部等がその指定地域となっている。   現在、香港との国境は4月28日以降、深センに入る際も強制14日隔離措置となり、香港に入るのも同じような措置となる。 もし、出先の地域で健康証明の提出を要求される場合は、無料で『深セン市外出人員健康申報証明』を申請できる。これは“深セン衛健委”のオフィシャルWeChatやミニプログラムから申請可能で、申請後に社区健康センターへ行き、そこで検査を受けて、証明を受ける形となっている。現在では深セン市にある社区健康センターならどこでも申請可能である。 労働節連休明けに深センに戻る場合 武漢から深センにくる旅行者については強制隔離の必要はないとしているが、2回の検査が必要としている。1回目は深センに来る前に武漢で検査をし、陰性である証明ができれば、広東省、深センに来ることができる。深センに来た後も7日後には再度検査を行う必要がある。 もし、武漢にて検査をしていない場合は、深センに到着後にすぐ検査を行い、検査結果が陰性であれば、同じように7日後に再度検査を行う必要がある。ただし、感染者と接触の可能性があるなどの場合は、14日の隔離措置となる。 その他の地域から深センに来る場合は、その行程を証明できるものを提示した上で、深セン市のアプリ“深i悠”“健康碼”などから自主申請をして、その結果によって隔離する必要があるか判断される。   深センから他の地域に行く場合は、“深i悠”“健康碼”が全国で使えるようになっているため、それらを健康証明として使えるので、必要なところで提示する形となる。 これ以外にも行動記録を証明する『感染防止行程カード』や『患者同行接触者調査コード』という自分が接触の可能性があったか調べられるものもあり、これらも証明として使われている。 まずは出かける前に、行き先の地域がどのリスク地域になっているかを知る必要があり、低リスク地域であれば行くことは可能だが、中、高リスク地域になっている場合は、なるべく行かないようにと呼びかけている。 先述の広西省や海南省等、独自の基準を設けているところはあるので、各地問い合わせるようになっている。 日本でもそうだが、連休で外に出たいという感覚になってはいるものの、日本と大きく違うのは、個人の危機意識であると筆者は感じる。家にいるとストレスだからという感覚以前に家から出たくないといった感覚が強かった印象だ。 ようやく出れるようになってきたので、この連休は旅行に行く人も多くなる分、政府は官民一体となって、徹底した管理を行っている。民主主義ではないかできる部分かもしれないが、こういう官民一体となって、緊急事態を乗り越えるところは何か学べることがあるのではないかと感じる。   参考サイト:https://mp.weixin.qq.com/s/kf-FwoLhCi4p36lB_TN2KQ   記者:佐々木英之 ホワイトホール深セン事務所にて10年以上の中国ビジネス経験を持つ。 日本に出張すると数日で深センに帰りたくなるという「深セン通」である。 佐々木英之の記事一覧
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