おとなの社会科見学・香港編(3) 摩羅上街~キャットストリート
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この連載では、深圳をビジネス視察で訪れた際に立ち寄ると面白い、お隣香港の定番スポットをお伝えしていきます。
香港日本人補習授業校で教鞭をとる傍ら「おとなの社会科見学」を主宰する、エデュケーショナル・アクティビスト(教育活動家)の森山正明氏の協力を得ながら、お届けします。
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中国最大の電気街である華強北(ファーチャンベイ)、20年ほど前は工場が密集するエリアでした。当時から、賽格広場や華強電子などのビルはありましたが、理路整然とした電気街というより、壊れたPCを持っていけばなんとかしてくれるような、電気関係のナンデモ屋が軒を連ねていました。
2000年デジタルカメラが出始めたばかりで、まだフィルムが多用されていた時代に、ポジフィルムを現像してくれる店舗も、そんなナンデモ屋の1つでした。当時、ポジフィルムを現像したがる人はかなり稀で、ポジフィルムの現像屋は、カメラオタクのサロン的な役割を果たしていました。たしか社長の女性は、福建系華僑だったと思います。
20年ほど前の華強北は、当時から実用的だったわけですが、今回紹介する、香港の「摩羅上街~キャットストリート」も、以前は実用的なナンデモ屋エリアでしたが、徐々に観光地色が強まっていった点が特徴です。
「摩羅」はシーク教を信奉するインド人やパキスタン人が巻いている頭巾のことです。香港が開港した当初、インド人水夫や兵士がここで商品を売っていたので、通り名も摩羅街と呼ばれるようになりました。
通称もあり、「キャット・ストリート(Cat Street, 猫街)」とも呼ばれています。ガラクタ市があった通りで、ねずみも寄りつかないということが由来だそうで、だから「猫通り」というわけです。
現在はいかにもチャイナテイストを並べる骨董店や露天商が軒を連ねています。
【構成:加藤康夫(東方昆論法律事務所/コミュニケーションデザイン海外事業部) 】
華南NET代表。東京外国語大学在籍後、講談社契約記者、深圳大学留学を経て、華南(香港)日商企業信息資訊有限公司(華南NET)設立。CEO兼編集長として日本企業向け会員制ビジネス誌を企画・発行。プロモーション・マーケティング支援、法務コンサルティングを経て現職。1972年水戸生まれ。
【写真・文:森山正明(教育活動家)】
海外帰国子女向け作文・面接・自己PR受験対策サイト「森山正明の海外帰国子女向け、作文&プレゼン入試 実践対策」編集長。香港日本人補習授業校で教鞭をとる傍ら「おとなの社会科見学」主宰し、海外在住の日本人に新たな出会いや歴史・社会を学ぶ機会を提供している(のべ参加者2300名)。香港在住。二児の父。