中国エリアランキング全国トップは、深セン市の南山区

現在、この深センで生活していると、国内外問わずいろいろな方がやってくる。その中でもいろいろな人が深センの中でどこの区が良いのか聞かれることが多い。

他の方々がどのように答えるかは分からないが、一般的には南山区と答える人が多いだろう。

 

中国トップ100区 第1位

香港のCCIDコンサルティングが発表した《2018年中国トップ100区発展白書》によると、経済力、成長ポテンシャル、グリーン化、市民幸福度、クオリティなどの17の指標と各都市の発展状況の総合評価を合わせて2018年中国トップ100区を選出した。

 

その中で南山区は堂々の一位である。その次に広州市天河区、続いて深セン市福田区となっている。

このランキングに入っている100の区はどれくらいすごいのか。

これらの区を全部合わせると、合計面積は１％にも満たないが、GDPは全国の1/4にもなる。これは中国の経済発展をリードしている重要なエンジンとなっていることになる。

では南山区はどの様なところが優位で、トップまで上り詰めたのだろうか。

 

 

中国トップ100企業の多くが南山

 

南山区は深センの中でも西南方面の一角にあり、38年の時間の中で、経済特区として発展して、低い建物が高層ビルとなり、農地が大きな道路になり、小さな漁村が大都市に成長した。今では南山区のハイテクエリアは以下のような呼び方になっている。

“中国シリコンバレー”

“全国はじめての双創（創業＝スタートアップ、創新＝イノベーション）模範区”

“中国でもっともイノベーション力のある都市”

“テクノロジーのインキュベート能力全国トップ”

 

南山区のハイテクエリアに向かうとき深南大道と大沙河の立体交差で沙河大橋のところに0と1の数字の羅列が光っているのを見ることができる。まさしくデジタルを表現したものである。

これは南山らしい場所の1つである。

 

 

 

2017年南山区は更に新しい力をもって成長した。

新興産業が発展し全体をリードするようになり、新興産業がGDPにおける64％を占めている。またDJIなど南山の11の企業がユニコーン企業に成長しており、全国の1/12を占めている。新しく上場した企業も22社あり、広東省の中で1/5を占めている。上場企業を合計すると144社となり、全国の区のなかで2番目に多い。更に中国ソフトウェア企業トップ100にも南山の企業が11社入っている。

 

 

世界500強企業のテンセント

同じく500強に貼る恒大集団も深セン湾に本部がある。

ZTEなど9社が中国500強企業に入っている。ランクインした深セン市の30％は南山の企業である。広東500強企業には59社がランクインしており、広東省で一番多い。

 

2017年南山区のGDPは4500億元（約7兆3700億円）を突破しており、4601.5億元（約7兆5400億円）で、成長率は9.1％となっている。これは全国で第3位となっており、広東省の中ではトップである。

南山区2018年第1四半期は域内総生産1050.5億元（約1兆7200億円）を実現させ深セン市でトップである。昨年比で205.75億元（約3400億円）成長しており、成長率も市内でトップである。南山区は市内で最も成長していると言えるだろう。

南山区はインフラも加速している。この先5年間のうちに、6本の地下鉄が開通予定である。2022年に開通予定の12号線は将来的に東莞市の地下鉄とつながる予定である。

 

また、道路においても整備は進んでおり、宝坪大道では地上と地下の2層道路の計画が進んでおり、片側合計6-8車線、全長53キロのバイパスができる予定だ。

 

 

 

将来、南山区は高いスタート地点、高いスタンダードとなり、深セン湾CBDを作り、更に後海地区など開発区に重点を置き、南山深セン湾区経済ベルトを形成していく。

また、南山区は世界のイノベーション地区として、北にある留仙洞やハイテク区に国際技術センターや企業アクセラレーターを作り、深セン湾を世界のピッチベースとして海外の資本や、人材を集めていく。

 

南山は今日も飛躍的なスピードで発展している。もちろん南山だけではなく深セン全体が成長している。その成長を引っ張っているのが南山区かもしれない。すべての深セン人の努力が詰まっている場所だ。

更に成長していく南山、深センに期待したい。

 

 

【ライター：佐々木英之】
ホワイトホール深セン事務所にて10年間の中国ビジネス経験。
日本に出張すると数日で深センに帰りたくなるという「深セン通」である。

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