深センでは意外!? 農業IoTベンチャーに突撃インタビュー
|今年の10月に深センにて行われた『Maker Faire Shenzhen 2018』にて、様々なメイカーが展示する中で、農業IoTを展示している企業があった。農業関連の企業が少ないこの深センで事業展開を行っており、農業とは関連性の低い深センで敢えて飛び込む様な感じである。
この企業について調べてみるとスタートアップ企業というよりはある程度大きくなった企業で2008年に設立された、富利臻農業科技有限公司という会社で、主にスマート農業設備、農業スタートアップ課程教育、農業IoTなどの分野の事業を行っている。その中でSteam教育(「Science」(科学)、「Technology」(技術)、「Engineering」(工学)、「Art」(芸術)、「 Mathematics」(数学))の事業の成果として、南山区のたくさんの中学校から教育デモンストレーションプロジェクトとして、定期的に見学などに対応している。今回はなんとかこの企業の副会長から話を聞くことが出来たので、彼の創業から深センにおける農業分野の事業についてくことが出来た。
・なぜ農業関連には遠いこの深センで起業し、農業分野の事業を行っているのか。
伝統的な農業とは違い、我々が行っているのは農業IoTで、IoTぶんやにおいてはこの深センという場所は必然性がある。我々はスマートソリューションの提案と伝統的産業を合わせることで、双方に価値が生まれると考えている。
現在、深センはしっかりとしたサプライチェーンが出来上がっており、これは全国で見てもトップクラスのサプライチェーンである。人工知能産業をやる場合は、まずは深センを考える必要がある。深センであれば、自分のプロダクトに必要な部品などは車で1時間以内の所で探すことができる。
また、深センは中国国内でイノベーション都市と呼ばれている場所で、深センという場所ではテクノロジーのスマート化が簡単にマーケティングすることができる。ハードウェア設備とスマート化事業の応用はこの場所が絶好の場所である。
これは我々とハードウェアアクセラレータ—-柴火创客空间とのコラボ案件で、“魚菜共生”という農業IoTのシステムで、ハードウェア部分の殆どが柴火创客空间が提供しているものです。このシステムが完成してから、柴火创客空间がSteam教育のデモプロジェクトとして、製品の展示や、設備、宣伝や教育をサポートしてくれている。
・今までやってきて困難な問題や、挑戦してきたことはありますか。
1つ目は我々がやっている環境領域の技術と農業の技術はそんなに先進的ではないんです。更に広東省は丘陵地帯となっていて大規模な農業を行うには適していないので、ビッグデータを取ることも比較的難しいんです。
また、我々の農業生産の構造は日本に近いところがあって、バイオテックの領域においての経験が豊富で、特に細菌類やセンサーの正確さなどの方面で国際市場の中では比較的進んでいる。
私は以前、日本の秋田食品展に行ったときに、彼らの食品加工技術の印象が非常に深い。例えば日本のマスクメロン、日本では贈り物にしたり、加工食品にも使われている。品質も安定していて、商品としての付加価値も高く、またビジネス面から見ると利益率も高い。
同じ位の品質の商品も中国では売価が日本より安く、加工技術についてもできる限り日本の技術を取り入れたいと思っています。利益の伸びしろが上がると、中国のスマート農業は更にスピードを上げて発展できると考えている。
その他には、日本の微生物処理技術も進んでいて、我々の手本としたい所である。このような日本の農業関連企業とはコラボレーションしていきたいと願っている。バイオテック、再利用スマート設備は地理的に制限のある日本では発展しているので、その技術を取り入れることで、我々の農業も更に安定したクオリティで品質の良いものが作ることが出来ます。
・将来的に農業の発展はどのように進むと思いますか?
農業が更に発展する機会があるとしたら、農業IoTの分野になると思います。特に深センでは他の業界とのコラボできる機会が多いです。
将来、農業IoTは応用が進むと、現在課題となっているクオリティの問題、農産物の加工、それから物流の問題も解決できるでしょう。
・日本の読者に向けて
我々は最近深センに視察に来る日本の方が多くなっている事はよく知っています。これは非常に嬉しいことでだと思ってます。
同時に、我々は日本の企業と提携する機会を作りたいと思っています。
その理由として、テクノロジーは人類のためのサービスに必要なもので、中国の市場は日本の技術と提携することで素晴らしい経験とフィードバックを得ることができる。
テクノロジーの成果を応用することで、更に大きな価値を創り出すことができる。日本人が深センにたくさん来て、一緒に新しい世界を作り出して行くことが出来ます。みなさんが深センに来たら、皆、深セン人です!
インタビュアー/文:Murra(深セン経済情報)
編集:佐々木英之(深セン経済情報)
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