世界金融センター指数発表 深センは14位にランクイン

2019年3月11日、イギリスのシンクタンクZ/Yenグループと中国(深セン)総合開発研究所はドバイの“世界金融サミット”にて連合で第25期世界金融指数(GFCI25)を発表した。この指数は運営環境、人材、インフラ、発展レベル、国際的な評価などの方面で世界の金融センターに対しての評価とランキングである。

世界10大金融センターのランキングはトップから、ニューヨーク、ロンドン、香港、シンガポール、上海、東京、トロント、チューリッヒ、北京、フランクフルトとなっていて、深センは現在14番目にランキングされている。

今回は世界の金融センター指数は112の施設を研究しており、正式なランキングとなる102ヵ所と10のこれから出来上がる施設を対象としている。

今期の指数は世界の銀行や経済シンクタンク、経済関連組織や連合国などや、世界各地で2373人に実施したアンケート調査などを含む、サードパーティから提供された定量調査データをもとに出した指数である。
今期のランキングの中でトップ5の金融センターは前回と同じで、それぞれの評価もほとんど変わらない。ニューヨークは常にトップに立ち、ロンドンと香港は同じような評価を得ていて、シンガポールと上海の評価は前回より上がっている。トロントは今期に大幅にランクアップしており、前回の11位から7位にランクインした。

今期のランキングの中で、大多数の金融センターの評価が前回より上がっている。

アジア・オセアニア地区は8つの金融センターが今期は15位以内にランクしており、香港、シンガポール、上海、東京、北京、シドニー、深セン、メルボルンとなっている。

北米地区は実力を発揮する形となり、カナダの金融センターがあるトロント、モントリオール、バンクーバーの評価は成長が顕著である。ヨーロッパ地区の評価は落ち着いておらず、チューリッヒ、フランクフルト、パリ、ベルリンなどは、イギリスの“脱EU”の影響を受け、一部は評価が上がった形となった。

今期の指数の中で、中国国内都市は、上海、北京、深セン、広州、青島、天津、成都、杭州、大連の評価がそれぞれの上がり幅で上昇し、一部は下降している都市も出ている。

2007年3月、Z/Yenグループが発表した第1期世界金融センター指数(GFCI1)、この指数は世界の主要な金融センターの競争力を上げるランキングとなった。2016年7月から、中国(深セン)総合開発研究所とZ/Yenが共同で金融センターの研究を始め、世界金融センターの指数を発表している。

世界金融センター指数は毎年3月と9月にそれぞれ更新され、世界の金融業界に広く注目されている。この指数は政策研究や投資戦略に対する貴重なデータとなっている。


佐々木英之
ホワイトホール深セン事務所にて10年間の中国ビジネス経験。
日本に出張すると数日で深センに帰りたくなるという「深セン通」である。

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