中国が新しいシリコンバレーを作る――世界級のベイエリアを作る必要あるのか?

ネットワーク技術が中国で急激に成長すると、大半の起業家はアメリカのビジネスモデルをまねて成長していく。
パクリの途上国と笑われた中国はイノベーションのブームに乗って一気にイメージを変えようと、広東省の深圳や北京の中関村などのハイテク産業開発エリアを、新しいシリコンバレーにするため長年努めたのだが、単なる町の資源では世界級のハイテクエリアに変わり難いということが分かり、今度は香港、広東、マカオを一体化したベイエリアを作ることに取り組むようだ。

しかし、中国にとってシリコンバレーのような拠点を作る必要は本当にあるのか?
電気の発見から200年が経ったものの、世界中に電気を利用できない人は12~15億人もいる。一方、高品質的な生活を送っている人たちが環境の悪化、資源の枯渇などをに不安を抱えているのは、エコロジストの杞憂ではない。

こういった世界レベルの問題を解決できない限り、一流のハイテクベイエリアを作る必要はあるのか?

では粤港澳(広東、香港、マカオ)ベイエリアがシリコンバレーになれるのか、深センIT企業の代表的存在でもあるテンセントCEO馬化騰氏の分析を見てみよう。

まず経済力として、粤港澳は中国全体の0.6%の面積で 13%のGDPを占めている。
EC消費(ネットショッピング)及びIT時代では、サンフランシスコ湾と東京湾エリアが世界のテクノロジーの発展を導いているが、この5,6年で中国企業が猛スピードで追いかけて来ている。
この際に粤港澳ベイエリアが企業と互いに補い合い発展していく好循環を生み出すという。

中国のベイエリア自体でもそれぞれの利点があり、インターネットを活用した、世界で一番完備なハイテク製造産業チェーンが揃っている。
付加価値を高めようとするインターネットにプラスした政策も実施している広東省の資源の上に更にマカオの科学技術、香港の金融ビジネスも加え、各自で発展しながら共に進歩していく構造にもなりやすいだろう。

どうやったら中国のベイエリアがシリコンバレーの役割を果たせるようになるのか。馬化騰氏はそのコンセプトについて話した。
まずは優れた海外や中国の企業をそこに進出するようプロモーションし、イノベーションの雰囲気作りをする。
深センは既に巨大なIT産業エリアになっており、三つの場所を一体化するのに必須なオープンな環境もある。粤港澳に与える政策は合致させて協調し合うことも重要だとしている。

競合することより、協調性を第一に考えるのは基本である。
馬化騰氏から見ると、今の粤港澳の「政策や経済の発展の歩調が揃っていない現状」を変える必要があるとしている。
例えば香港、マカオへの通行時の制限緩和などを行い、綿密なコミュニケーションを取り、エリアにまたがり共存共栄の発展をしていくことがシリコンバレーへとつながるという。

 

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