”ゲノム業界のテンセント” ゲノム解析最大手BGIのグループ企業が深センで上場。

【ライター:川ノ上和文】

深センに本社を置くゲノム解析大手BGI(深セン華大基因科技有限公司)の独立部門会社であるBGI Genomics Co., Ltd(深セン華大基因股份有限公司)が7月14日、深セン証券取引所の創業版(新興企業向け市場)にて4010万株の新規株式公開(IPO)を行い、一株あたり13.64人民元にすると発表した。同社は今回の資金調達で、高精度医療サービスの拡充、ゲノム編集研究センターの建設、クラウドサービスシステムの開発を行うと見られている。

同社董事長である汪健氏は現地メディアの取材に下記のように答えている。

 

「ゲノム編集は<健康中国2030(注)>において重要な役割を果たすでしょう。BGIは感染症、遺伝障害、悪性腫瘍、高精度医療、リハビリテーションに関わる、全方位的かつ最も高精度な検査を、競争力のある価格で提供いたします。私は最低でも5年は株の売却はしません。遺伝子疾患が減少しない限り、私は障がい者協会の仕事は続けますし、BGIも長期的にこの領域への投資をし続けます。そして、深センを世界初の遺伝子疾患をコントロールし、障がいを持つ人がいない都市にしていきます。」

(注:中国が2016年に発表した医療、スポーツ、健康分野を促進させる国家戦略)

 

同社は世界100を超える国や地域にサービスを提供、中国国内では31の省および自治区の2000を超える研究施設や医療機関をカバーしており、”ゲノム業界のテンセント”と呼ばれている。上場前から業界のリーディンカンパニーとして注目を集め、7月14日の株式公開後、連続で19回のストップ高となっており、今年度最も注目の新規銘柄となっている。

 

また、傘下のBGI tech(華大科技)にはソフトバンクグループのベンチャーキャピタル(SB China Capital)からも2012年に資金調達をしている。

♦︎BGI(深セン華大基因科技有限公司)は1999年に北京で設立され2007年に本社を深センに移転。中国国内では北京、天津、武漢、上海、広州などの中国主要都市に研究所を構えている。また、海外拠点としては欧州、北アメリカ、アジアパシフィックにも展開している。日本支社は香港法人を経由して2011年に神戸に設立されており、60をこえる日本国内の大学、20の研究施設とのプロジェクト実績を有する。

 

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情報元:

同社HP http://www.genomics.cn/news/show_news?nid=105292

騰訊科技 http://tech.qq.com/a/20170714/028675.htm

猎云网 http://www.lieyunwang.com/archives/337429

 

 

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