今年第3四半期までの深センGDP8.8%増 工業の増加速度がサービス業を逆襲

【ライター:佐々木英之

今年第3四半期までの深センGDP8.8%増加した背景には新しいポイントがある。

10月29日深セン統計局が発表した経済データによると、第3四半期までで深セン第2次産業の増加値は5961.57億元(約10兆3000億円)9.3%増、第3次産業の増加値は9433.91億元(約16兆3000億円)で8.4%増となっている。

2012年以来深センの第2次産業の増加速度が初めて第3次産業を追い越し、0.9ポイント差をつけた。近年の深セン経済は第3次産業のスピード発展であったが、2016年に第2次産業が盛り返し始め、大規模なな産業プロジェクトが推進されていくなか、今年は第2次産業が逆襲する形となった。

深セン市政府発展研究センター主任の吴思康氏は、深センの製造業は非常に重要で、今年の年末には第2次産業の増加率が第3次産業を超えた状態を維持してもらいたい、第3四半期までの工業投資の増加率は50%を超えている。

ここ¥数年の状況から見ると深センの第3四半期までの増加速度は平均すると6%~8%の間となっており、今年は更に伸びた。吴思康氏は、この成績を収めた大きな原因として、ここ2年における深セン製造業の大きなプロジェクトであると語っている。

この1年の投資データを見てみると、2016年上半期の深セン第2次産業の投資増加速度は2.1%、後半になって大規模なプロジェクトが始まると一気に加速し、工業投資が691.57億元(約1兆2000億円)増加率は17.1%になった。

具体的なプロジェクトを見ていくと、去年11月、深セン市が出来て以来最大の工業投資となった 華星光電G11プロジェクト、総投資額538億元(約9200億円)、量産開始されると世界で最大の液晶生産ラインとなる。

今年の第3四半期までで深セン市全体の固定資産投資は3501.98億元(約6兆円)増加率31.1%、増加幅は全国で23.6ポイントとなっている。そのうち工業投資は595.08億元(約1兆円)で増加率が55.8%となっている。

今年、広東省の大きなプロジェクトは54個あり、その総投資額は5000億元(約8兆6000億円)を超えている。深セン市内の大きなプロジェクトは503個で総投資額は1兆7000億元(約29兆円)を超えている。

その中で、第1四半期の産業発展プロジェクトは15個で投資額239億元(約4100億円)、この中には深セン联想(Lenovo)后海エリアプロジェクト、世界レーザー智能製造産業パーク、塩田港国際物流センターなどが含まれている。

第2四半期のプロジェクトには大疆(DJI)天空の城ビルがあり、ドローン企業を集めて研究開発、運営サービスなどが集中するプロジェクトとなっている。

第3四半期のプロジェクトは24個あり総投資額は505.4億元(約8700億円)で、海能达Hytera本部ビル、第11代TFT-LCD用ガラス基板生産ラインなどのプロジェクトがある。

このように深センの製造業はまだまだ伸びしろがあり、変化している。今年深センの工業技術革新のための投資は274.35億元(約4700億円)あり、増加率113.6%と大幅な増加を遂げている。

吴思康氏は深センのサービス業は決して落ちているわけではない、重要なのは製造業を放棄していないところにある。

製造業は今変化を求められており、この先まだ伸びていく。今期にサービス業の増加率を逆襲する形で製造業の発展が盛り返してきており、深センはこの先製造業とサービス業両方が変化しながらまだまだ発展のスピードが止まらないだろう。

 

21世纪经济报道
http://epaper.21jingji.com/html/2017-10/31/content_73255.htm

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