深圳ローカル考(10)/春節休暇時の一時帰国おみやげ「●●●●」
|拙稿(5)で取り上げた、出張者アテンド時の食事と同じぐらい悩むのは、「中国らしいオミヤゲ」ではなかろうか。
空港で慌てて買ったような気の利かないオミヤゲを持参すると、「現地で日本料理ばかり食べているから、地元のことを何にも知らない」と揶揄されたりもする。
「いえいえ、駐在しながら1週間に2-3回も“中華料理”を食べていると、日本料理が恋しくなるんですよ」とも、なかなか言えない……。
ちょっと気が早いが、大半の駐在ビジネスマンが一時帰国するときに、ぴったりのオミヤゲがある。著者の知るかぎり、なかなかどうして、かなり好評を得ている。
■中国のおせち料理・盆菜
「盆菜の習慣は中国にはもう無いですよ」
こんな回答をする中国人も少なくないはず。
今でも一家そろって外出しご馳走を食べることが多い春節。その時期に、高級食材をふんだんに使った重詰めを楽しむ中国人は少数派になっている。
このボリュームで6~8名用。値段の相場は1万円ほど。
さて、こちらの新年盆菜。昔ながらの煮物の料理法で統一して作る。アワビや車エビ、貝柱、牡蠣などの海鮮から、地鶏、鴨、豚などのお肉類まで、それぞれの食材を高級スープで味付けする。
この高級スープは、盆菜に使われる食材を一から煮込んで取る。日本のお出汁の料理法に近い。
また、それぞれ海鮮や肉の間に、仕切り代わりの野菜を添えるのがポイント。盆菜ならではの一体感を演出するからだ。
中国の古き良きお正月を、日本に持参すれば、中国通と唸られるかも。
【ライター:加藤康夫(東方昆論法律事務所/コミュニケーションデザイン海外事業部) 】
加藤康夫
華南NET代表、東方昆論法律事務所パラリーガル、(株)コミュニケーションデザイン海外事業部。東京外国語大学(外国語学部)在籍後、講談社 契約記者。深圳大学(中国広東)留学を経て華南(香港)日商企業信息資訊有限公司設立。CEO兼編集長として香港華南エリアの日本企業向け会員制ビジネス誌「Kanan
monthly」発行。プロモーション・マーケティング支援、法律実務コンサルティングを経て現職。1972年水戸生まれ。