2.5億人が5つの福を集める。春節の風物詩となった紅包(お年玉)

アリペイは今年で3回目となる春節の2週間前から行われるキャンペーンで、福という字をスキャンして5つの福カードを集めるというのを行っている。

記者アリペイ紅包
画像の中に人数と5億と見える

今年はなんと総額5億元(約84億円)であった。旧暦の大晦日22:18分に集めた福カードで紅包をもらうことができる。これは抽選ではないので、5つのカード集めれば必ずもらえるものである。今年は2.51億人が福カードを5つ集められており、大部分の人が平均して約2元(約34円)もらっている。

 

筆者は運が良かった?のか2.18元で平均より少し上であった。中国人の友人に聞いてみたら、私の周りで一番多かったのは6.68元(約112円)であった。微博などでは88元(約約1500円)や最多で666元(約11200円)という情報も出ている。

友人のアリペイ紅包
友人がもらった紅包

日本からすると数十円か、と思いがちだが、中国の文化の紅包は金額もあるが、紅包自体をもらうことに意義がある。ゲーム感覚で福を集めるという事もあり、WeChatなどで友達と幾ら当たったか皆で聞いたりと、話題にはなるイベントである。

 

ちなみに昨年は総額2億元(約35億円)で結果としては1.68億人が集めたと発表されている。今年は金額が倍以上で、参加者も1.5倍増である。

2017年アリペイ紅包
昨年のイベント 人数と2億という記載がある

福カード集めについて説明すると基本は福と書いてある玄関などに飾られている紅い飾り物をスキャンするか、すでに集めた友人から貰うかになる。スキャンもARを使ってのスキャンになるので、街中で福を見つけした次第スキャンできる。

AR画面
ARスキャンの画面 掃一掃をタッチしてスキャンする

飾り物に限らず福と書いてあれば何でもOKという形で、筆者は地下鉄の福田駅の駅名をスキャンしてカードをもらえた。ちなみに自分で福の字を書いても読み取り可能である。

 

5つの副カードはそれぞれ意味があり、その中でも敬業福は取得が一番難しいとされていて、ネットでは攻略サイトも出ているくらいだ。以前にタオバオで販売していたというニュースもあった。

私は友人がWeChatでアップしていた手書きの福の字をスマホ越しにスキャンしたら敬業福を取れた。何でも有りという感じである。

 

1日でスキャンできる回数も限られており、5つ集めようと思うと意外と時間がかかる。スキャンすれば必ずカードが貰えるわけではないので、何度もスキャンしなければいけない。

 

冷静になって考えてみると、ARスキャンになるのでおそらく位置情報も取られているので、このイベントだけでもかなりのビッグデータが取れているのではないだろうか。どちらにせよ、アリペイは金額が去年から倍以上になっている事を考えるとまだまだ勢いの止まらない企業であることは確かである。

来年はいくら出すのか楽しみである。

 

【ライター:佐々木英之
中国深センの富門グループ(Richdoor Group) にて10年間の中国ビジネス経験。
日本に出張すると数日で深センに帰りたくなるという「深セン通」である。

佐々木英之の記事一覧

Add a Comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です