深圳“テック外”市場動向(10)/深圳に新登場するショッピングモール

この連載は、株式会社TNCリサーチ&コンサルティングの協力を得ながら、“テクノロジー関連以外”の深センという街をよく知るためのマーケット情報をお伝えしています。

今回のテーマは、「ショッピングモール」です。

中国各地で続々と建設されてきたショッピングモールは、テナント不足で廃墟状態になっているケースが少なくありません。その理由は、このサイトに幾度となく登場するアリババの「淘宝網」などのeコマースが発達した結果というのが、一般的な見方でしょう。

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日本人にも人気のCOCO Park。オープン当時より交通手段が便利になった

 

供給過剰!? 今年下半期は19の重点都市で315施設がオープン

もう1つ忘れてはならない理由は、テナントの充実(商品の質とカテゴリの豊富さ)よりも、ショッピングモールが増えるスピードのほうが速いことが挙げられます。そういえば、箱(建物)は立派なのに、いまいちパッとしないテナントが散見されるのも、中国の特徴です。

ちなみに「特徴」といえば、この夏重慶市のショッピングモールに登場した「夫保管所」はご存知でしょうか? 奥さんや彼女など女性と一緒に来た男性が休憩所のことで、ソファや日本製マッサージチェア、携帯電話の充電器、Wi-Fiなどが設置されているそうです。そんなサービスも、流行ると分かったらすぐにマネされるので、どのショッピングモールも似たような感じになるのも、中国のショッピングモールの特徴です。

ショッピングモールの過剰供給を指摘される声が目立つなか、今年の下半期は19の重点都市で315もオープンする予定だそうです。中国景気先行き不安などどこ吹く風で、まだまだ元気ということです。

 

深圳では15施設がお目見え

深圳のショッピングモールの有名どころでは、『万象城』『COCO Park』『海岸城』『益田假日广场』『壹方城』『澳康达名车广场』でしょうか。それぞれ各エリアではシンボルマークになっていますね。

さて、深圳では今年の下半期、新しく15施設がオープンします。常住人口1000万人以上の都市の中では、ごく一般的な数字ではありますが、建設されるエリアは日本人が多く住む中心地から外れたエリア、いわゆるベッドタウンとして発展している都市に集中しているという意味では、区画整理がうまくいっている都市と言えるでしょう。

次に規模。最も比率が多いのは5-10万平米の施設。中国ではこれがスタンダードなのでしょう。この表の出典元には<商業建築面積>とあるので、延べ床面積と言えると思うのですが、だとすると10万平米というの玉川高島屋ショッピングセンターあたりをイメージすればよいと思います。

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ディベロッパーは大きく3つに分かれており、イオンのような小売業、商業施設のディベロッパー、住宅のディベロッパーが名を連ねています。住宅ディベロッパーの作るショッピングモールは、(中国の中では)比較的こじんまりとした類に属する5万平米程度の施設が多いようです。

 

【文:加藤康夫(東方昆論法律事務所パラリーガル) 】

華南NET代表。東京外国語大学(外国語学部)在籍後、講談社契約記者、深圳大学留学を経て、華南(香港)日商企業信息資訊有限公司(華南NET)設立。CEO兼編集長として香港華南エリアの日本企業向け会員制ビジネス誌発行。プロモーション・マーケティング支援、法務コンサルティングを経て現職。1972年水戸生まれ。

【協力:(株)TNCリサーチ&コンサルティング(代表・呉明憲)東京&上海をベースに活動する中国ビジネス専門コンサルティング会社。事業内容は、中国投資アドバイザリー、経営コンサルティング、市場調査・マーケティング、M&A、販路・仕入先開拓、顧問契約など。http://tnc-cn.com 】

 

 

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