【中国で激戦のスマートモビリティ】急成長スタートアップ「Ponycar」体験レポート

中国では激戦となっているスマートモビリティ市場で、スタートアップが生まれては消えていく中、Ponycarが深センで独自のビジネスモデルを確立している。

Ponycarは、IoTシェアリングカーのサービスとして、深セン、広州、北京、西安で展開しており、201712月時点で3,000台のEVを投入している。

多くのスタートアップが苦戦する中、このサービスは利益率が20%ほどに達し、順調に業績を伸ばしている。

今回は、実際にPonycarに乗って、その順調ぶりを体験してみた。

ponycar

このEVを予約するには、WeChatのミニプログラムからログインのうえ空いている車を探すところから始まる。
最近はほとんどのシェアリングサービスはWeChat経由で使われている。

 

まずは現在地から近い場所で車を選び、1日保険に加入する。保険金はたったの3元(約50円)である。
分単位、時間単位、1日単位を選んで借りることができる。
今回は、分単位で予約をすることにした。
深センでの平日料金は以下のとおりである。

①1分につき0.29元(約5円)
②1kmにつき1.68元(約28円)

時間と距離の単価が設定されており、まるでタクシーと同じような計算式だ。
上記の時間単価は、7時〜17時までとなっており、それ以外は少しだけ値上がりする。
通勤ラッシュ時や深夜料金などに合わせてあり、タクシーとUberを混ぜ合わせたような計算となっている。

予約をすると、その車が置いてある場所までの道のりが表示される。
15分以内に車を取りに行かないと自動的にキャンセルされてしまい、次の人が予約を入れる。
EVの電池残量と、走行できる距離も確認できるようになっている。

早速、車が置いてある場所まで行ってみる。

ビルの地下駐車場に止めてあり、ナンバープレートの番号を頼りに自力で探すしかないところが少しだけ手間である。
充電スタンドがついている駐車場の場合は、そこに停めるのがベストだが、これは利用者の良心次第とのこと。でも意外と良心ベースのサービスが広がっており、利用者もマナーを心がけるようになってきているようだ。
広い駐車場の中でやっと発見し、すでに登録されている車体のキズを確認しスマホで写真を登録する。

車体は中国製で「長安汽車」というメーカーのものだ。
EVではBYDが有名だが、この車に乗るのはなかなか勇気がいる。

スマホでのチェックインが完了し、さっそく駐車場から出すのだが、料金所ではもちろんWeChatペイ用のQRコードが用意されており、それをスキャンのうえで自分のWeChatアカウントから一旦支払うというシステム。
これを後からアプリ内で精算をする。

実際に運転してみたが、簡素な作りのEVの割には走り出しがとてもスムーズで乗り心地抜群である。
走行音がほとんど無いので、歩行者への安全を考えると逆に心配になるほどだ。
それほどまでに中国のEV技術が上がってきていると実感した。
ちなみに、この車は実際に買うと新車でも100万円ちょっとで手に入る。中古だと70万円ほど。

シフトレバーもノブ型になっており、なかなかトレンディである。
車内は細かいゴミが散らかっていたりと、さすがに綺麗とは言えない状態だった。
しかし、この辺はスマートさ重視で、日本とは評価ポイントのレギュレーションが違うのでスルーしておく。
(次の人が車内の清潔さをレビューするなどの機能をつけたら良いのでは?)

乗り心地はこの通り、運転手の佐々木氏(編集長)もスマートなドライビングを提供してくれた。
彼も最近では頻繁にこのサービスを使って出かけているらしい。

 

目的地の近くまで着いたら、近くの駐車可能スポットをアプリで探す。
サービスに登録されている駐車場が多数出現し、便利な場所を選ぶ。

最後は停めた場所がわかりやすいように、写真を撮ってアップし、駐車エリアの番号などもわかるようにしておく。
今回も充電スタンドのついている駐車場に停めることができなかったので、次の人には申し訳ないがそのまま使ってもらうことになる。
誰も充電しなかった場合どうなってしまうのかはわからない。。。

車を停めたらあとは精算のみ。今回は23km、47分間の利用で、合計55.27元(約900円)だった。
このあと、駐車場代を仮払いした精算時のキャプチャを送ると実費が返金される。
レンタカーを1時間借りて1,000円未満と考えると驚きの価格破壊である。
このようにしてシェアリングエコノミーは環境にもお財布にも優しいシステムになり得ると実感する。

地球温暖化への対応策として、このようなサービスが中国全土に広がるよう、政府も更なるバックアップをしてほしいところだ。

記者:白井良(深セン経済情報)

 

 

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