もう重いバッテリーは持ち歩かない!モバイルシェアバッテリー事情

最近視察に来る方には必ずと言っていいほど紹介するが、中国のモバイルバッテリーシェアはかなり便利である。

今は飲食店、娯楽サービス店、ショッピングモール、駅、空港、病院などあちこちにある。

アプリなどで地図を見ると一目瞭然である。

その中でも、三大シェアモバイルバッテリーと言われる、街電と来電が大手となる。

筆者は街中での数が一番多いという点で街電をよく使うが、その地図を見てみると、どこにでもあるのがよく分かる。

 

街電の場合はマップ上のマークをクリックすると、アップル用やアンドロイド用、Type-Cのどれが残っているかも分かるようになっている。

また街電や来電は必ずしも借りた場所に返す必要がなく、A地点で借りてから、B地点に戻せるため非常に利便性が高い。

私も非常時には整形病院などに駆け込んで借りたりすることもある。

 

実際に借りて見よう

 

まずはバッテリーBOX探しだが、見当たらない場合は、マップから探してみる。

見つけたら状況を確認してその場所に向かう。

今回もすぐ近くの美容整形サロンにあるようだ。

その場所に行き、BOXを見つけたらWeChatもしくはアリペイでスキャンして、タイプを選んで完了。出てきたモバイルバッテリーを持っていくだけである。

街電をアリペイで借りる場合はゴマ信用が600点以上であればデポジット不要で、一部WeChatのみに対応しているものもある。

小電というサービスはWeChatのみで更に中国人で実名認証しているWeChatユーザーのみデポジット扶養で外国人はデポジット(99元)必要である。

充電が完了したら返却時も同じで、見当たらなければマップ上で探せばすぐに返却可能である。

 

費用は大体一時間1元のものが多い。2時間刻みで2元図しているところもある。

どこにでもあって、どこに返しても良く、更にキャッシュレスで気軽に決済、この3点が利便性を高くしているところで、これは中国のシェア自転車と全く同じである。

大手である街電と来電はどちらも深セン企業で、来電のほうがひと足早く2014年設立で街電は2015年設立である。どちらもカバー率が高く、全国300都市に存在し、街電は最高記録で1日の利用回数が120万回を超えた日もある。

どちらも累積アカウントは億を超えており、市場争いは続いているが、深センに居る筆者の感覚では街電を見かけることのほうが多く、街電の規模のほうが上といった感じである。

 

来電は5つの発明特許、46の実用新案、33の外観特許、3つの国際特許(そのうちの2つは日本)などを取得しており、更に60近い特許などが申請中である。

来電は2017年に2000万ドルの資金調達に成功しており、街電も2017年に3億元の資金調達に成功している。

 

その、街電と来電は2018年に訴訟問題も起こしており、来電はたくさんの特許や権利関係を取得しているため、そこに触れた街電を相手に裁判を起こし、現在も争いは続いている。2018年11月には街電が来電に対し200万元の賠償金を払うことが可決されたところだが、12月にはまた、来電が街電を相手取り3000万元の賠償金を求める訴訟を起こしている。

この訴訟に対して様々な意見が出ているが現在もまだ裁判中となっている。

 

街電と来電が争う中でも他のメーカーも参入してきているが、やはり使い勝手の良いところから大手が市場を握っているところも感じられる。

様々なシェアモバイルバッテリーがある中で、バッテリーではなくシェア充電ケーブルというものも出てきている。

筆者は1回しか利用したことがないが、コンセントにケーブルを繋ぎ、真ん中にあるQRコードを読んで支払いすると、電気が流れて充電できる仕組みである。

これは利便性という視点では重くはないが、コンセントが必須となるため、微妙なところもあるが、コンセントのある施設においてはアリなのかもしれない。

シェアモバイルバッテリーを見ていると、シェア自転車と重なって見えるところも多いので、そのうち淘汰されて2社くらいに減りそうではあるが、自転車よりは生活上必須なものなので、この市場はしばらくは続いていくだろう。

 

佐々木英之
ホワイトホール深セン事務所にて10年間の中国ビジネス経験。
日本に出張すると数日で深センに帰りたくなるという「深セン通」である。

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