ドイツと連携、「深セン技術大学」が9月に開校
|【ライター:川ノ上和文】
深センは都市の歴史が浅く他の一級都市に比べ、地元発の教育機関が少ないことが課題となっている。現状、地元大学としては起業家輩出校として注目され始めている深セン大学、テクノロジー系で特色を出している南方科技大学があるが、ハードウェアシリコンバレーと言われる深センらしい、製造技術人材を強化する大学が9月に開校する。その名も「深セン技術大学」。
同校は深セン市の郊外である坪山に設立され、学科はIoTエンジニアリング、機械設計製造および自動化、光源および照明の各分野で初年度は226名の学生を受け入れる。認可手続き中であり、初年度は深セン大学応用学科として運営され、深セン大学の卒業証書が授与される予定となっている。
また、坪山は深セン市が設定している10大未来産業集積区の1つで、特にロボット開発やスマート製造業を重点にしていく新興エリア。集積区として2020年までに投資規模を約1200億元(約1.92兆円)、産業規模を約1000億元(約1.6兆円)にしていく計画だ。
大学関係者は現地メディアの取材に答え、開学の抱負をこう語っている。
”我々の目標は国際水準の応用大学で、特にドイツとの連携を密に取り組んでいきます。2018年には学科数を10に拡大し、受入学生を1000人まで広げていきます。”
同校は既に深センを代表するIoTサービスプロバイダーであるファーウェイ(華為)社と「インターネット及びビッグデータ学院」の設立に関して提携を発表しており、ファーウェイ社からの講師派遣や産学連携および実習などでの協業プログラムを行なっていく。さらに、深セン地下鉄グループとは”都市交通および物流学院”の設立に関して提携していく方針だ。
ドイツからの特別招聘教授であるホルガー氏は開学に際してこう発言している。
”私はこの大学で深セン速度とドイツクオリティー融合による成果を見ることができるでしょう。ここではドイツの教育体系を持ち込むだけでなく、先進的な機械設備もあり、さらに大企業の実習機会もあります。深セン技術大学の成功に期待しています。”
海外との連携にも積極的でドイツの他、スイスの複数の工学系大学との提携準備も進んでいる。2015年、スイスのベルンと深セン市は姉妹都市提携をしており、両都市の関係を軸に同校は昨年よりスイス側大学担当者との交流を進め、連携の可能性を探って来た。相互での講義実施や長期休暇を利用した交流活動などで合意しており、学生は提携校での実習を含む各種活動にも参加することができる、としている。
情報元:深圳技术大学HP