中国科学技術部が2017年ユニコーン企業ランキングを発表 深センの企業が急速ランクアップ

3月23日科学技術部が長城戦略コンサルティングなどの機構が連合で主催した2017年中国&中間村ユニコーン企業発展報告発表会が北京で開催された。

《2017年中国ユニコーン企業発展報告》によると、2017年度中国には164社のユニコーン企業があり、その企業評価額の合計は6284億米ドル(約66兆4000億円)となる。ランキングの中で、ANT FINANCIAL(螞蟻金服),DIDI Chuxing(滴滴出行)などを除く巨大企業以外に、深セン発の3Dセンサー技術のハイテク企業のORBBEC(奥比中光)も評価額が10億米ドルに達しランクインした。

但し、この数字は中国政府が発表しているもので、昨年にアメリカの投資調査機関CB Insightが公開した中国のユニコーン企業の数は59社となっている。これは計算方法の違いによるもので、中国にとっては都合の良い計算方法で算出していると思われる。ユニコーン企業が増えているのは間違いないがこんなには多くないというのが筆者の見解である。

ORBBEC(奥比中光)とANT FINANCIAL(螞蟻金服)はケンタッキーと共同で開発した顔認識支払い設備を出している。

 

3Dセンサー技術は人工知能、IoT、インダストリアル4.0において最も重要な視覚感知ハードウェアである。工学精密機器や制造、画像認識などの識別スタイル、機械学習とニューラルネットワーク技術の集大成となる。ORBBEC(奥比中光)は世界でも3Dセンサーの応用を提供するリーダー的企業で、世界で4番目の企業となっている。国内では唯一の3Dセンサー企業となる。また量産に対応できる3Dセンサーカメラのメーカーでもある。現在ORBBEC(奥比中光)は世界で約1000社の顧客を持っており、そのうち10社は世界500強企業に入っている企業と提携している。提携している企業の中にはHP、JD(京東)、ANT FINANCIAL(螞蟻金服)、ケンタッキー、UBTECHなど名の知れた企業が多い。

ORBBEC(奥比中光)創始者兼CEO 黄源浩氏

 

2014年、ORBBEC(奥比中光)は孔雀計画の第一位となっており、政府から補助金4000万元(約6億6000万円)獲得しており、黄源浩氏この資金を使って生産ラインを作った。2015年ORBBEC(奥比中光)が研究開発した3Dセンサーカメラを正式に量産開始となった。ORBBEC(奥比中光)は国外市場への進出に成功し、アジアで3Dセンサーのトップ企業となった。それは現在でも唯一の量産3Dカメラメーカーとなっている。同じ年にORBBEC(奥比中光)は自社研究開発したMX400というチップの開発に成功、Astra、Astra Miniなどの製品が完成し量産をスタートさせた。2016年には台湾のMediaTek.Inc社の戦略においてORBBEC(奥比中光)に投資した。2017年には賽富亜洲((Softbank Asia Infrastructure Fund)、松資本(GREEN PINE CAPITAL PARTNERS)から継続的に投資を受けシリーズCまで達し、企業評価額が10億ドルを超えて名実ともにユニコーン企業となった。

 

参考:http://tech.ifeng.com/a/20180326/44920182_0.shtml

 

【ライター:佐々木英之
中国深センの富門グループ(Richdoor Group) にて10年間の中国ビジネス経験。
日本に出張すると数日で深センに帰りたくなるという「深セン通」である。

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