「テンセント」が目指す新しい教育のカタチ、エデュケーション・テックサミットが初開催
|2019年12月、テンセント主催のエデュケーション・テックサミット「MEET教育科技創新峰会(MEET教育科技イノベーションサミット)」が北京で開催され、全国から100社あまりの教育企業関係者、1000名あまりの教育業界の専門家や学者等が出席した。
イベント名の“MEET”には“出会う”という従来の意味も込められているが、正式には“Modern Education Empowered by Technology(テクノロジーが教育を助力する)”という言葉を短縮したものである。昨年5月、テンセントは教育ブランド「騰訊教育(テンセント教育)」を正式に発足させたが、今回のイベントは同社初のエデュケーションテックをテーマとした大型サミットとなる。
今回のサミットにて、テンセントは正式に“テンセントWeLearningスマート教育ソリューション”と“スマート教育光合計画”という二つの重大な戦略計画を発表し、テンセントの“教育”と“テクノロジー”の理念についても述べられた。テクノロジーが教育に“出会った”時、そこではどのようなイノベーションが誕生するのだろうか。
テンセントは“WeLearning”を通して、教育のデジタル化、IT化、スマート化を実現することが可能となり、スマート計算、スマート学習、スマート管理、スマート空間、スマートサービスの5つのシーンをつなぐことができるという。“WeLearning”は「テンセント教育統合システム」「応用シーン・エコシステム」「ユーザー・プラットフォーム」で構成されており、「テンセント教育統合システム」がすべての核心部分となる。バックグラウンドとオープンプラットフォームの二つの方面でスマート教育を促進していくという。
テンセントは「コネクト」「テクノロジー」「コンテンツ」の三方面で豊富な経験、知識、技術を有しており、教育のスマート化を促進させる土壌を形成している。
・コネクト
QQ、WeChat、企業WeChat、ミニプログラム等のデジタル化ツールはすでに10億人以上のユーザーをコネクトしており、ユーザーにスマート教育を直接提供できる。
・テクノロジー
テンセントのビッグデータ、セキュリティ、クラウド・コンピューティング、AI等の技術、5G、BCI(ブレイン・コンピューター・インターフェース)等の先進的な領域での探索が、教育のスマート化においても技術的な支援を行う。
・コンテンツ
テンセントは自身のデジタルコンテンツと教育を融合させ、教育の多元化を目指す。例えば、オンライン教育で高画質ライブ配信プログラムを提供し、多角的に生徒を見られるように2名の講師がいる授業を実施したり、ゲームやプログラミング開発の授業に応用したりする。
教育における課題点としては、生徒の学習データ等が共有されておらず、データの行き来が難しい状況がある。「テンセント教育統合システム」ではオープンプラットフォームを構築することで、統一された身分識別、データ等をまとめ、各シーンでデータをシェア・利用できるようにしている。
「テンセント教育」が正式に発足してからすでに200日以上が過ぎ、「テンセント教育」は1万8000以上の学校、400以上の省および市の教育局、9万以上の教育機関にサービスを展開、ユーザーも4億を突破している。3尺の教壇と1枚の黒板という学校教育の現場は、テクノロジーの力を使うことでより大きな空間を利用できるようになるはずだ。そしてテンセントが今後も多くのパートナーたちと手を組むことで、“MEET”のストーリーはさらに深化していき、教育に新しい息吹をもたらすに違いない。
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https://mp.weixin.qq.com/s/5lHu3jWL0YpCvf04kqMrYg
記者:佐々木英之
ホワイトホール深セン事務所にて10年間の中国ビジネス経験。
日本に出張すると数日で深センに帰りたくなるという「深セン通」である。