ファーウェイ+北京外国語大学=???

2019年12月末、北京外国語大学で開催された「人工知能と人類言語重点実験室成立大会」で、北京外国語大学と「ファーウェイ」が戦略提携協議に署名した。双方はイノベーション技術と多言語等の領域をそれぞれ得意としており、人材育成やイノベーション等、広範囲に及ぶ提携となった。 

  

北京外国語大学書記の王定華氏、校長で党委副書記の楊丹氏、副校長で党委常委の袁軍氏、孫有中氏、ファーウェイ中国区総裁の魯勇氏、ファーウェイ北京総経理の劉陽氏、ファーウェイ北京企業業務総経理の呉書林氏が署名式に出席した。 

 今回の提携では、北京外国語大学と「ファーウェイ」が手を組み、新しいスタイルのスマート学校のあり方を模索する。双方の得意な分野を発揮し、人工知能と多言語研究の新しいプラットフォームを作り上げるという。「ファーウェイ」は専門チームを投入し、北京外国語大学の業務と戦略に合わせたデジタル化計画を設計。また、両者で「ファーウェイICT学院イノベーション人材センター」を構築し、人材育成および育成ソリューションの開発に力を注ぐという。 

王定華氏は同プロジェクトに関心を持ってくれている各界の友人たちに感謝の意を表した上で、「人工知能は新しいテクノロジー革命と産業の変革において重要な原動力となり、教育でも人類社会の進歩と人類文明の発展において大きな力となる」とコメント。 

魯勇氏は「ファーウェイ」が北京外国語大学と手を組むことで、「双方の言語と人工知能の得意な領域を補い合うことで、三つの方面において深く提携することができる」と述べた。1つは共同で人工知能イノベーションプラットフォームを作り、外国語の優秀な人材を育てるシステムを作ることで、質の高いイノベーション人材を作り出していくという。2つ目はスマート学校を作ることで、可視化、コントロール化、マネジメント化できる学校を作る。3つ目は国の教育計画「中国教育現代化2035」(※)に則り、教育に人工知能を活用し、新しい教育を作り上げるということだ。 

今回の提携はICTInformation Communication Technology化、デジタル化の推進を得意とする「ファーウェイ」が学校と組み、人材育成プラットフォームを作るという非常に面白いものとなっている。日本では「ファーウェイ」と言えばスマートフォンのイメージが強いが、実際には単なるスマホや通信設備の企業というよりも、ICT化等のより広範な取り組みで戦略的パートナーシップを結ぶことが多い企業だ。 

 

※ 2019年に発布された長期間(約15年間)に及ぶ教育戦略。デジタル化等を通じて教育そのものを改善し、一流人材を育て、国民の水準を上げていく戦略 

 

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https://mp.weixin.qq.com/s/1N2Z4k2WjUJKX9xzYeBqBg 

 

記者:佐々木英之
ホワイトホール深セン事務所にて10年間の中国ビジネス経験。
日本に出張すると数日で深センに帰りたくなるという「深セン通」である。

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