バッテリースタートアップ「EcoFLow」、テスラも充電できる大容量ポータブル電源「DELTA」発表!

201993バッテリー・スタートアップの「EcoFLowが深センで製品発表会を開催し大容量の新ポータブル電源「DELTAを発表した。94日からKickStarter」で予約が開始され、11月に出荷予定という

EcoFLow貯蓄エネルギー製品の研究開発および販売を行う2017年設立のスタートアップ。現在は「Riverという小型ポータブル電源を北米等の海外市場で販売している創業したのはドローン大手「DJI」でバッテリー開発に携わった経歴を持つ王雷氏で、そうした関係でスタッフにはDJI」出身者も多い。

発表会王雷氏は今まではガソリンを使った発電機がポータブル電源として最も利用さてきた。今でも家庭キャンプ、イベント、工事現場等の様々なシーンで重宝されている。しかし、ガソリン発電機は騒音やメンテナンスコストの課題が常にあった」述べ、同社製品の“存在価値”を強調した。

今回発表されDELTARiverよりもサイズが大きく大容量でクリーンで安全なリチウムイオンバッテリーを搭載した発電機」とも謳われている。ガソリンによる発電機と比べると様々なメリットがあり、高効率なのも特長だ。

ステージ上で実際にガソリン発電機とDELTA」並べられ、性能比較検証が行われた。また、発電機よりも高い効率を証明するテスト結果もあわせて公表された。それによると、野外照明を使ってテストでは発電機8時間であるのに対して、「DELTA」は33時間となっていた  

発電機という言葉がふさわしいものであるどうかは判断が分かれるところだが、「DELTA」はガソリンを入れてエンジンを回し電気を供給するガソリン発電機異なり、一般電源もしくはソーラーパネルから充電を行い、貯蓄された電力を使用する。オプションで持ち運べるソーラパネルも用意されており、野外での充電も可能で、太陽光の場合4時間でフル充電できるという。また、「EcoFLow米「テスラとも提携しており、DELTA」を使用してテスラ充電することも可能 

「DELTA」は特許取得済みの新技術X-STREAMにより充電時間が大幅に短縮され、安全対策も強化されている。具体的には乗用車や飛行機等で使用されることを想定した対策が施されており車両等に乗せて移動するのもまったく問題ないという。 

DELTA」一般生活での利用シーンとして停電時の電源ストリートミュージシャンの演奏キャンプ室外の工事挙げられる。 

王雷氏は今までの製品に関するフィードバック紹介した。米国電気通っていない場所で、あるユーザーソーラーパネルを使った充電方法を利用したことで、電気問題を解決できたという。 

価格について言及された。まずはガソリン発電機の価格を示した上で、DELTAKickstarter」における価格を発表。699ドル(約74000円)で、高価なガゾリン発電機と比べると半額近い価格である 

王雷氏は我々の核心技術は自社研究開発能力販売チャネルである述べており、現在は世界合計で3万ユーザーがいること、今後は(法人だけでなく)一般ユーザーを増やしていく使命があることも紹介した。 

同社は今年5月に日本支社を設立済みで、日本市場開拓に積極的だ。セールスディレクターのBen氏は災害の多い日本ではこの商品が役に立つシーンはたくさんあると思いますRiverはすでに日本市場に入っていますが、DELTA等の新製品についても日本での提携先探しています」述べている。 

会場ではパネルトークも行われ新エネルギーに将来についてをテーマに議論が行われた。 

詳細は割愛するが、パネリストは「今後、新エネルギーが使用されるシーン非常に多くなること」「新エネルギーへのニーズが年々高まっていること」「現在はコストも落ちてきて、商業化できていること」「世界では伝統的な発電市場はコストや法律等の様々な問題変化がない新エネルギーを利用することで革新的なものを市場に出せるということ」等を強調していた。 

また、王雷氏日本の地震について言及する一幕もあった。聞いた話ですが、地震の後に停電にな、電力が復帰するのに長い時間を要したそうです。大地震の際は1ヵ月以上も電気が回復しない場所もあったと聞きました。この話を聞き、私はこのような製品の重要性を感じました」と述べている。 

DELTA」気になる寿命についてだが、バッテリー寿命は800サイクル(フル充電からゼロまで利用することを1サイクル)で毎日使っても2年間使え、800サイクルを超えても60の充電量で使えるという。また、中身のセルだけを交換すること可能で、新しく買い替えるより安く済む。メンテナンス体制も万全だ

現在、彼らは海外市場をメインにとらえているが、中国国内もマーケットのひとと考えている中でもアメリカはもっとも大きな市場のひとととらえているようで、「コストコ」とも提携している。 

我々日本人にとっては災害時を想定した使い方がメインとなるかもしれないが、EV普及等で電気の重要性が高まる中で誕生した非常に面白い商品であり、この企業の将来は大いに期待できる、と感じた次第である。

イベント後、会場にて撮影

記者:佐々木英之
ホワイトホール深セン事務所にて10年間の中国ビジネス経験。
日本に出張すると数日で深センに帰りたくなるという「深セン通」である。

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