深センの電子街「華強北」に5G生活体験区オープン、未来都市化が進む福田区
|2019年9月26日、深センの電子街として有名な「華強北」(福田区)が国内初の5G生活体験区になった。先日「来年の8月に5G電波が深セン市をカバーする」という内容の記事をアップしたが、「華強北エリア」は一足早く5Gカバーエリアとなった。
5G生活体験区の開幕式では、深セン市委常委、常務副市長の劉慶生氏、深セン市副市長の呉以環氏、深セン市政府副秘書長の李卓文氏、南方科技大学俞大鹏氏、深セン市文化広電旅游体育局局長の張合運氏、福田区委書記の呂玉印氏、福田区政府区長の黄偉以氏、深セン市および福田区の関連部門の関係者が出席した。
今回のイベント開催に合わせ、「華強北」では“先行福田、極速未来”というスローガンがそこかしこに掲げられており、福田区が未来都市としてリードしていくという強い意気込みを感じさせた。
福田区委書記の呂玉印氏は開幕式で「華強北では“中国最初の電子街”としての業界の影響力を活かし、5G産業の発展との融合が進んでおり、国内で率先して5G体験区を作ること、5G電波カバー率100%を実現することができた」と誇らしげに述べている。
イベントでは、中国三大キャリア、保税区で実験を行ってきた無人運転バス、テンセントや国美等の民間企業の展示も確認できた。
キャリアのブースでは展示会等で紹介されていたような“応用シーン”についての展示がメインであった。VRを使った応用をはじめ、スマート空港、スマートハーバー、遠隔医療、遠隔操作、防犯設備等が展示されており、筆者が訪問した日は週末だったせいもあり、多くの子供たちも5Gを体験していた。
また、今まであったキャリアの店舗も看板もすべてが5G表記に変わり、10月からスタートする5G月額セットのキャンペーンも行われていた。
現在、深センでは福田中心区、南山科技園区、宝安中心区、坂田華為基地等のエリアで部分的に5G信号が飛んでいる。深セン市の5G通信設備の設置数は合計で1万台を超えたが、その記念すべき1万台目は華強北に設置された。華強北には26基の設備が設置されている。
そうした中、福田区が“未来都市”としてのモデル都市となるためには、5G産業の集積、電波のカバーを急ピッチで進めていき、5G+応用シーンの開拓を続け、5Gエコシステムを作り上げていく必要がある。また、このエリアから5G技術の形成、5G通信時代に必要な5Gを使った新しい業態、スタイル、企業等を生み出し、市民にスマートで便利なIT化された“5G+スマート生活”を提供していくことも必要だ。そうすれば、深センは間違いなく世界における“5Gのデモンストレーション都市”となれるはずだ。
本イベントは10月末まで開催されているので、深センに来る機会があればぜひ見ていただきたいと思う。
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記者:佐々木英之
ホワイトホール深セン事務所にて10年間の中国ビジネス経験。
日本に出張すると数日で深センに帰りたくなるという「深セン通」である。