なぜ深センに住み続けるのか

ある記者が多くの人にこのような質問を投げかけた。「あなたはなぜ深センにいるのですか?」と。

この質問にはいろいろな意味が含まれており、単純に「なぜ深センに来たのか?」ということだけでなく、物価が年々上がり、生活水準を維持することがますます難しくなる中、「どうしてここにい続けるのか?」という意味合いが大きい。

深センで暮らす人々の声をまとめたものがあるので紹介しよう。

 

「あなたはなぜ深センに居るんですか?」

ある人はこう答えた。

 

『深センには自分が欲しい待遇や給与があるから』

20代男性 深セン在住歴3年 

深センに来てから3年経った20代のある男性は、この3年間非常に早かったという。先日昔の同級生が訪ねてきて、話をしていたところ、たまたま給与についての話になった。自分の給与が2万元(約38万円)であることを話すと、同級生は驚いて開いた口がふさがらなかったのである。

地元で仕事をしている彼等からすると、7000〜8000元の給与は高い給与であるという。2万元という給与は考えられもしない金額である。

しかし、深センでは年収100万元(約1700万円)を超える人はたくさん居る。

私が深センに残るのは、自分の実力を試せるからで、ここで頑張れば、それ相応のモノや地位を得ることが出来るからである。これは地元では得ることができないということだ。

『35歳になっても不安はない、誰も結婚を急かす人はいない』

30代女性 深セン在住歴9年

「王さんとこの息子は良い感じよ、ちょっと会ってみない?」

「もう30歳過ぎなんだから、お見合いしないと本当に誰も必要としてくれないよ」

「お母さんはあなたに対して良いと思って言ってるのに、何で理解してくれないの?」

電話を切った後、ソファの上で横になって、自分は既に母が私にお見合いを強いるのが何回かよく分からなくなっていた。そんな中、親友からメッセージが来て、自分はすぐに運動着に着替えてジムに向かった。

深センでは、自分が好きな仕事をして、時間があれば友達とジムや、旅行、絵画のスクールに行ったり出来る。自分の生活は非常に充実していて、楽しい。深センに居るのは、この場所は自由を許容してくれて、誰も結婚を催促する煩わしい人が居ない、自分の選んだスタイルの生活が出来るからである。

『1人を愛し、この都市にも恋をしているから』

40代女性 深セン在住歴15年 

やばい! もう24時だ! 今日もまた深夜まで残業である。

家に帰ると、寝ている旦那と息子を起こさないようにする。でも旦那はいつも自分が帰ってきたことに気づいてくれて、起き上がり自分のために夜食を作り、食べ終わるまでずっと居てくれる。

夜食を食べ終わった時、ふと15年前の事を思い出した。自分は大学を卒業し、今の旦那と一緒に深センに来た。旦那が深センに来たくて、深センという場所は、エンジニアにとっては憧れの場所で、自分も深センに来ることを選んだ。当時私たちは一つの小さな目標を持っていて、それは深センに定住する事でした。

私たちはお互い努力して、お互い助け合ってきた。今は自分たちの目標が実現して、それでも努力は怠らずにしています。この都市に愛があるからここにいるんです。

続けて他にも様々な人に尋ねてみた。

@Lisa:私はなぜ深センにいるのかよく分からないです。何もなかったとしても私はここで強い心を鍛えています。

@Sunny:今は夢を信じることが難しい年代ですが、この深センには信じることができる夢のある都市だからです。

@笙谷:人はなんで生きないといけないのか、誰もが努力する中で自分の存在意義を探している、自分もまさに探しています。深センでは残業が終わった後にこの街の夜空を見上げると、辛かったとしても、非常に充実していて、深センが一種の希望を与えてくれる感覚です。

@優優:深センは自由を許容してくれる若い都市です。ここに居て自分が特に若い感覚にさせてくれます。

@小文:ここではたくさんの人の夢が現実となっている。私もその中の一つです。

@阿惠:“後ろの席もシートベルト着用”この都市は細かいところ一つ一つが安全な場所だと思います。

@Holiday:具体的には何か説明できないけど、パワーがあるのは確かです。

何が夜孤独の中で奮闘させるのか?

何が地元で家も車もある生活を選ばずに深センで満員の地下鉄にいさせるのか?

何がこの場所で努力を続けさせるのか?

私たちは深センで何を得ることができるのか?

 

深センという街には“魔法”がかかっているのかもしれない。

2019年、一体なぜあなたは深センに住み続けるのか。

 

佐々木英之
ホワイトホール深セン事務所にて10年間の中国ビジネス経験。
日本に出張すると数日で深センに帰りたくなるという「深セン通」である。

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