【5Gレビュー】ファーウェイの5Gスマホ「Mate 30 Pro」を購入&体験


中国で発売したばかりの5Gスマホを購入し、始まったばかりの5Gプランを契約してみた。

2019年10月31日に各キャリアが正式に発表し、11月1日から5Gプランを開始した。中国ではこの日、「5Gが正式にやってきた」等とあちこちで報じられた。

そんなことで筆者も11月1日発売のファーウェイの5Gスマホ「Mate 30 Pro」を早速購入し、5Gプランに変更してみることにした。まず訪れたのは、オープン開始間もない南山のファーウェイ旗艦店だ。

発売日は多くの人で賑わっていたが、端末購入前にいくつか質問してみた。4Gカードのままでも使用できるのか、5G電波が飛んでないエリアはどうなるのか……などだ。店員の回答としては4Gカードのまま使えるし、5G電波のないところは自動的に4Gになるとのことだった。

キャリアのショップや販売店では一部のカラーがないなどの欠品があったが、旗艦店はすべて在庫があるとのことで、その場で購入。聞くところによると、11月1日は全国で交易が多く、彼らの会計システムが軽くダウン気味であったとのことで、この日だけでかなり売れたようである。

「Mate 30 Pro」自体は9月に発売済みなので、スペックについてはすでに多くの情報が出回っていると思うが、今回購入した端末の唯一異なる点は「麒麟990」の5Gチップに変わっていることぐらいだ。にも関わらず、本体価格は通常盤と比べて1000元ほど高かった。

本体購入後にファーウェイのスマホクローン機能を使ってデータを移動、かなり遅くなったので翌日キャリアへ趣き、5Gプランに変更した。

キャリアのスタッフにはスマホを見るなり「昨日買ったの?」と聞かれ、11月以前から5Gスマホは出ていたが、今回のファーウェイ5G版が一般消費者にとっては身近な5G端末となっているようだ。

現在5Gスマホを出しているのはZTE、ファーウェイ、小米、vivo、サムスンである。ファーウェイはすでに「Mate 20X」という5Gスマホを出してはいたが、大きな本体と高価格のせいであまり売れていなかった。そもそもキャリアの5Gプランが出る前なので、売れないのも当然だろう。今回はキャリアの5Gプランスタートに合わせた販売で、人気を集めているようだ。

筆者が5Gプラン変更の手続きをしていると、別のお客さんも同じスマホを買ったようで、プラン変更に来ていた。

先日の記事で深センは1万基の通信設備設置と書いたが、現在も増え続けており、チャイナユニコムのサイトを見るとカバー範囲は以下のようになっている。

筆者の住んでいる地域はまだカバーされていないが、中心区に行けばある程度は拾える感じである。

筆者が行った中心区のキャリア店舗の周りもカバーされており、普通に電波を拾えた。

気になる5Gプランの値段だが、チャイナユニコムは129元、159元、199元とあり、一番安い129元で30GBのデータ通信と500分の通話料が付いている。一番高いプランは599元で、300GBのデータ通信と3000分の通話料となっていた。他のキャリアもほぼ同じ価格で、どこも129元〜となっている。

各キャリアが発表している情報によると、筆者のいる深セン以外も中国の大都市はだいたいカバーされてきているようだ。中でも深センは1番と言われるぐらい早いようだ。

深センの中心区を歩きながら5G電波が拾えているかどうかを確認してみると、昔携帯が出始めた頃に電波のあるところをひたすら探し歩いていた時の思い出が蘇ってきた。

今回は5Gスタートと同時に購入したが、個人的には「5Gであるメリットはほとんど無い」と感じた。外でオンラインゲームをやるか、動画を見る人では無い限り、現状必要ないし、必要になるシーンも今の生活ではあまり考えられない。現時点では商用に使われる方が多いだろうし、もし使うとすれば、家や外でVRを使ってオンライン授業を受けるとかそのようなケースぐらいなのではないだろうか。

今回は端末を手に入れることが重要で、ついでに5Gプランに変更してみたわけだが、中国では遅かれ早かれ強制的に4Gを少なくし、5Gに変えてしまうだろう。皆が5Gスマホに変えなければいけない日が思ったよりも早く来るような気がしている。

これくらいの大きな変革は、行政が主導しないと難しいところもあるので、私はアリと感じるが、日本の場合はそうもいかないと思うので、結果として無駄なコストがかかったり、イノベーションのスピードが落ちてしまったりしていると思う。

5G電波を探しながらの散歩がしばらく続きそうだが、筆者は応用の方に興味があり、5Gで生活がどのように変わるかが、今からとても楽しみである。

記者:佐々木英之
ホワイトホール深セン事務所にて10年間の中国ビジネス経験。
日本に出張すると数日で深センに帰りたくなるという「深セン通」である。

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