深圳“テック外”市場動向(7)/Wechatの微店がスゴイ~1台のスマホで6万人の顧客管理

この連載は、株式会社TNCリサーチ&コンサルティングの協力を得ながら、“テクノロジー関連以外”の深センという街をよく知るためのマーケット情報をお伝えしています。

中国のネット通販というとタオパオとか越境ECを連想する人は多いと思いますが、もうひとつ『微店』というのがあります。

 

スマホの進化で――

『微店』とは、微信(Wechat)を活用して販売するですが、当然Wechatのアカウントが必要になります。以前ある中国人女性が何台も携帯を所有して、たくさんのWechatアカウントを作って微店を運営しているというニュースを見たことがあるのですが、今やそれも昔の話のようです。

先日、とある日本商品を仕入れている中国企業の代表者の方と打ち合わせしたときに見せてもらったのがこれ。

↑アカウントが12個も!

1台のスマホで12個のWechatアカウントを管理しているということは、1アカウントで5000人まで相手とつながることができるので、この中国企業の代表者は、1台の携帯電話で6万人とつながっているわけです。仕入れている日本商品にもよりますが、1アイテムあたり、1%=600人の人(または企業)が購入すれば……けっこう立派なビジネスになりますね。

 

SIMカードも不要

もちろん6万人全部がアクティブユーザーというわけではないでしょうが、それにしてもスマホ端末1台で6万人とつながることができること自体、すごいぞ!と思うわけです。日本のLINEはここまで超活用(?)されていませんが、日本にいる中国人で代理購入をしている人たちのなかには、こういった超活用ユーザーがすでにけっこう存在しているはずです。

ちなみに、私のスマホは中国のvivo製ですが、2アカウントまでしか表示できません。この写真のスマホはHuawei製で、12アカウントがしっかり表示されています。メーカーによって差があるのかもしれません。

またこの方、このスマホにSIMカードを入れていません。つまり通信キャリアを通した通話を行わず、すべてWiFiを通したネット電話で事足りているようです。

いずれにせよ、これからは『微店』にも注目です!

 

【文:加藤康夫(東方昆論法律事務所/コミュニケーションデザイン海外事業部) 】

華南NET代表。東京外国語大学(外国語学部)在籍後、講談社契約記者、深圳大学留学を経て、華南(香港)日商企業信息資訊有限公司(華南NET)設立。CEO兼編集長として香港華南エリアの日本企業向け会員制ビジネス誌「KANAN MONTHLY」発行。プロモーション・マーケティング支援、法務コンサルティングを経て現職。1972年水戸生まれ。

【協力:(株)TNCリサーチ&コンサルティング(代表・呉明憲)東京&上海をベースに活動する中国ビジネス専門コンサルティング会社。事業内容は、中国投資アドバイザリー、経営コンサルティング、市場調査・マーケティング、M&A、販路・仕入先開拓、顧問契約など。http://tnc-cn.com

 

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