深圳“テック外”市場動向(8)/中国コンビニの進化が分かる「即食品」データ

この連載は、株式会社TNCリサーチ&コンサルティングの協力を得ながら、“テクノロジー関連以外”の深センという街をよく知るためのマーケット情報をお伝えしています。

中国ではコンビニ店がどんどん増えてきています。直近の情報ということで、あらためて日中コンビニ比較をしてみたいと思います。

著者は、5年ほど前から、深センから武漢に頻繁に出張で訪れるようになりました。

その当時、困らされたことの1つが、コンビニにフレッシュミルク(牛乳)が売っていないことでした。

 

流通の発達で伸びる「即食品」の販売率

武漢のコンビニは牛乳を置かない――はじめは地元民の嗜好が原因と思っていました。

ところが、ヨーグルト系の商品が広東地区より幅を利かせていました。1リットルパックの「飲むヨーグルト」が夜になると売り切れてしまうコンビニも珍しくありませんでした。なるほど、腐りやすい牛乳は置きたがらないと気づかされたわけです。

そこでこんなデータをご紹介します。

「即食品(すぐに食べられるもの)」の販売比率が10%未満の店舗が、2016年が49%に対して、2017年は41%にまで減少しています。10-20%の店舗が18%から24%に上昇しています。

つまり、即食品の比率が高くなってきているということです。

日本だと生鮮及び半製品の比率が30-40%だそうですので、中国の食品販売り櫃はまだ低い(発展途上)とのことです。中国のコンビニはなんとなく食品ばかり販売しているイメージだったのですが、まだまだ日本の半分以下の商品構成をもつコンビニ店舗が多いようです。

 

いまだ直営が半分以上~中国のコンビニ

コンビニエンスストアというと、どうしても日本と比べてしまいますが、2017年の中国コンビニ店の加盟店比率は43%となっています。

日本国内における加盟店比率はローソンが75%、ファミリーマートが97%、セブンイレブンが98%であるのに対して、中国の加盟店比率はかなり少ないといえます。

中国で加盟店を管理するのが大変だからでしょうか。しかし、店舗数を増やすということであれば、どんどん資金を投下して直営店をどんどん作っていくのであればいざ知らず、そうでなければ加盟店を増やしていくしかないですよね。

中国のコンビニ市場は、中国ならではの「便利さ」を体現しながら、独自の発展を遂げていくと思われます。例えば、四川では激辛ファーストフードが受けるとか、東北地方では麺類メニューが充実しているとか……。

店舗数の増加率を見てみると、全国平均だと13%ですが、多くの都市、とくに二線都市での増加率の大きさが目立ちます。このグラフに掲載されていない都市は全国平均以下といっても、流通インフラの充実や、加盟店の増加によるサービス向上などで、まだまだ伸びしろが大きいと思います。

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では、無人コンビニでのキャッシュレス体験が人気ですが、ぜひ品ぞろえもチェックしてみてください。

 

【文:加藤康夫(東方昆論法律事務所パラリーガル) 】

華南NET代表。東京外国語大学(外国語学部)在籍後、講談社契約記者、深圳大学留学を経て、華南(香港)日商企業信息資訊有限公司(華南NET)設立。CEO兼編集長として香港華南エリアの日本企業向け会員制ビジネス誌「KANAN MONTHLY」発行。プロモーション・マーケティング支援、法務コンサルティングを経て現職。1972年水戸生まれ。

【協力:(株)TNCリサーチ&コンサルティング(代表・呉明憲)東京&上海をベースに活動する中国ビジネス専門コンサルティング会社。事業内容は、中国投資アドバイザリー、経営コンサルティング、市場調査・マーケティング、M&A、販路・仕入先開拓、顧問契約など。http://tnc-cn.com

 

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