深圳テクノロジー視察ツアーレポート【2018年11月18.19日 開催】

冬も近づき、日本ではコートが手放せなくなる季節ですね。
そんな中、30度近い気温の深セン市で行われた、テクノロジー視察ツアーのレポートをお送りいたします。

開催:20181118.19

深センの最先端サービスを体験する、この定期ツアーは毎月行われており、ランダムに当メディアにてレポートをしています。
毎月開催の深セン視察ツアーはこちら

 

初日、まず向かったのは、中国最大のテクノロジー展示会「ハイテクフェア2018」です。
毎年行われており、今回は20回目の開催でした。
場所は深セン市福田区にある会展中心エキシビジョンセンター。今年も大勢の人で混み合っていました。

中国の最先端企業が勢ぞろいするこの展示会で、日本企業からの出展は少なかったのですが、日本人の視察客の多さにはビックリでした。

通信、バイオ、医療、IT、AI、IoT、ブロックチェーン、自動運転、などなど
テクノロジー関連企業が目白押しだったので、ハイテクフェア単体としてのレポートも先日投稿しています。
ご興味のある方はこちらからご覧ください。
チャイナハイテクフェア2018 現地レポート

ハイテクフェアで歩き回ったので、少し歩き疲れてしまいました。
そこでお待ちかねの中華ランチ、今回は山西省のレストランを選びました。
特色のある料理と、さっぱりした味で日本人の方にも好評をいただきました!

山西料理

最近、日本でも話題となっているニューリテールのビジネスモデルで、アリババが運営する「フーマーシェンセン」というO2Oスーパーマーケットを視察しました。

このスーパーでは基本的にオンライン注文のお客さんをメインターゲットにしており、生鮮食品もオンラインで注文すると3km圏内であれば10分ほどで届けてくれるという驚きのサービスです。
野菜や肉はもちろん、生きたカニなども注文でき、更には調理までしてもらえるというものです。

もちろんリアルなお買い物もできます。
事前にこのお店専用のアプリをインストールしておき、写真のような自動精算機でアリペイを使ってお会計します。

ネット注文が入ると店員が買い物袋に詰めて、天井につけられているレールで運ばれていきます。
それがベルトコンベアで建物の外に設置された物流センターに集められ、待っていた配達員がバイクで運ぶ仕組みです。

このような電動バイクで運ぶことで、スピーディな配送が可能となります。
まさに消費者向けのサプライチェーンが見事に出来上がっています。

お次はアジア最大の電子街である「華強北(ファーチャンベイ)」です。
電子部品の問屋街だったこの街も、今ではハイテクベンチャーがブースを出し、様々なプロダクトが見れます。
広すぎて周りきれないので、現地を知り尽くしたツアースタッフが見所を押さえて案内します。

例えば、これは最近急増しているシェアリング傘です。
QRコードを読み取り、パスワードを取得、ダイヤル鍵を開けて中から傘をレンタルします。
1時間8円ほどで、どこのステーションに返してもOK、とても便利です。

昔ながらの電子部品の問屋さんが軒を連ねるエリアを通って、リアルな雰囲気を感じてもらいつつ、
ハイテク製品の集まるビルへと移動していきます。

3Dプリンター専門のお店では、廉価版の安価なものからプロ用の高額なものまで揃っています。

これも3Dプリンターで作ったものです。
さすが中国、わかりやすいものを出力していました。

ロボットも大量に売られています。
中国では一般家庭でもロボットを買って家に置いている。
という噂は本当なのでしょうか。。。

ファーチャンベイのど真ん中に派手な店構えで現れたのは、スマホメーカーとして世界でも知られるようになってきたOPPOの旗艦店です。

ファーウェイがポルシェデザインとコラボしたことは話題になりましたが、実はOPPOは負けじとランボルギーニとコラボしています。
この美しいデザインのスマホは日本円にして約16万円ほどです。

近くに無人コンビニがあったので、立ち寄って見ました。

この無人コンビニでは重量センサーを使用しており、QRコードで冷蔵庫を開けて、商品を取り出してから閉めると決済されます。これ正に性善説で成り立っていますが、意外に不正をする人はいないようです。

こちらも話題の「メイソウ」です。
創業当初、日本の銀座に本社がある、と言い放って日本ブランドに見せるマーケティング手法で展開。
そして、1000店舗以上にまで一気に拡大し、本当に銀座に会社を作ってしまった。というフューチャーシンキングを絵に描いたようなぶっ飛んだ成長を遂げた会社です。これぞチャイナドリームでしょうか。

そして、肉丸VR。これは子供用のゲームボックスのようです。
ネーミングが面白かっただけで、説明は割愛します。

あっという間に1日目が終わり、順徳料理で懇親会をしました。
様々な業界の方に参加していただいており、名刺交換や情報共有を通して新しい出会いもあります。
漁米粥という、さっぱりしたお粥の鍋で海鮮を煮込んで食べる料理、味も良くて皆さま大満足でした。

2日目は顔認識ファーストフード店を体験です。
このお店は「周黒鴨」といって、中国人が大好きな鴨肉を使ったファーストフードのようなお菓子のような食べ物を売っているお店です。

もともと古風な作りをした鴨肉の売店でしたが、こんなにもスタイリッシュでコミカル&ポップなデザインに変身し、更にはテクノロジーを駆使して店舗を出すなんて誰が予想したでしょうか。

好きなものを取って、下の会計台に置くことで、重さを感知して合計金額が表示されます。
そしてカメラで顔をスキャンされ、スマホも財布も持っていなくてもお買い物ができてしまいます。

詳しくは以前の記事をご覧ください

続いて未来商店というロボットコンビニにやってきました。

全ての商品が大型スクリーンメニューから注文することができ、キャッシュレスで精算します。

精算が済むとこのような窓の奥でロボットが簡単な調理をしてくれます。
出来上がったものを備え付けのテーブルで食べることができ、帰る際にはボタンを押すとテーブルが反転し、ゴミを自動で回収してくれるというスマートなシステムになっています。

次はシャオミの旗艦店を見学です。
シャオミといえば、リーズナブルなスマホを提供して急速に成長した企業というイメージですが、ここに入るとイメージを覆されます。

スマホはもちろんのこと、想像を超えた品数の商品が展示されています。

プラモデルのロボットや木製のおもちゃはテクノロジーとは無縁のもののようですが、子供向けの商品として数多く並んでいます。

水筒やブロックのおもちゃなど。

まさかの歯磨き粉が出現。
電動歯ブラシと共に売られています。

もちろん家電製品もありとあらゆるものがオリジナルブランドで作られています。

大型テレビも格安の値段で買うことができます。

そのほか、リュックサックやテントなど、デザインもおしゃれで値段も安いのでついつい買ってしまいます。
無印良品を彷彿させるようなブランド展開をしているように思えます。

最近、テレビでも紹介されて有名になってきたソフトウェアパークに移動し、テンセントの新社屋前での記念撮影。
そしてBATのビルが立ち並ぶ中、ベンチャーキャピタルがビッシリと入ったVCビルや、スタートアップが集まるインキュベーションセンターを見ます。

下のロゴはベンチャーキャピタルやインキュベーションセンターの看板です。
これだけの数のベンチャー支援企業が1つのビルに詰め込まれています。

KFCでも顔認識でのお会計ができるようになりました。
この辺のベンチャーで働く若者が、昼休みになると財布もスマホも持たずに顔でケンタッキーを買って食べます。

ツアースタッフが実際に顔でケンタッキーを注文して買っている様子です。
残念ながらこのようなサービスは、外国人はまだ使えませんので、中国人スタッフが買い物をする様子を見学してもらいます。

続いてスタートアップ企業に訪問してプレゼンテーションをしてもらいました。

インキュベーションセンターに入居するリブテックという会社の方にプレゼンしてもらいました。
このベンチャー企業は世界初の携帯型無線充電器を発明し、これから量産体制に入るというフェーズです。
非常に面白いプロダクトでしたので、後日レポートをまとめたいと思います。

今回最後の訪問場所となったCEECという施設に移動。
ここは常設型の展示会場のような施設、ちょっと緊張するエントランスを抜けて中に入ります。

広い施設の中には様々なテック系企業がブースを出しています。

例えば、珍しい木製ドローンなど。

バイオ植物なども展示してあります。
中国ではバイオテクノロジーも盛んで、多くのベンチャーが生まれています。

これ、手をかざすと自分の血管が確認できるという技術です。
採血するときに役立ちそうですが、ちょっと不気味ですね。。

なんと、便器に向かって天井から水が放出されています。
これ、水に濡れても壊れないウォシュレットとのことです。

セグウェイのブースでは、様々な製品を試乗することができ大人気でした。

深センを代表する世界的ドローンメーカーのDJIもブースを出しています。
ここではドローンだけでなく、ジンバルを使用した撮影用のスタビライザーなども展示してあり、実際に手にとって使ってみることができます。

前から欲しかったもので、1個購入してしまいました。

STEM教育で急成長中のメイクブロック。
これは子供用の教材なのですが、実際にロボットを組み立てて、動かすためのプログラミングも自分で書くという、最先端の技術を子供のうちから楽しみながら学べるというものです。
欧米では小学校の授業にも取り入れられるほどですが、日本ではまだまだのようです。

VRを使ったリアルなバトルゲームを体験。
臨場感がありすぎて、体験した方はとても興奮していたようです。

0.01mmのフィルムディスプレイを開発したROYOLE。

その他、色々な最新プロダクトが展示してありました。
ぜひ実際に来ていただき、ビックリするようなハイテク製品をご紹介できれば嬉しいです。

2日間の充実した視察ツアーが終わり、みなさん多くのインプットをされて帰国されました。
これらのサービス、まだ外国人が使いこなせるものではありませんので、熟練のツアースタッフと一緒に実際に体験していただき、各サービスや企業の説明を添えることで、効率よく深センを知っていただくことができます。

「深セン経済情報」読者の皆さま、次は深センでお会いしましょう!!

 

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